久しぶりに昔の夢を見た。大規模侵攻で家族が殺されたあの瞬間を何度も何度も夢が見せてくる。私は何もできずにそれをただ見ることしかできないのが恐ろしくて、気持ち悪かった。
ハッと目を覚ますと嫌な汗をじっとりとかいていた。そっと視線だけ動かせば隣に匡貴さんが眠っているのがわかる。眠り始めた時は私を抱きしめていた腕も、すっかり寝入っているようでその力は解けていた。
彼を起こさないよう静かにベッドから降りると、額の汗を拭いながらキッチンへと向かった。冷たい水を勢いよく喉に流し込むとようやく思考が冷静になってきて、まだ深夜の時間を指す時計をぼんやり眺めながらゆっくり項垂れた。
匡貴さんと寝るようになってからはあの夢は見なくなっていたのにな。
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