お兄ちゃん、ガチャ「お前の兄ちゃんさ──……」
「あ、兄貴? もうさ──……」
なぜか"兄貴"という言葉に昔から反応してしまう。俺には兄貴はいない。なのに気になってしまう。
とりあえず、俺はチームメイトの与太話には気にしないフリをして練習を続けた。
そろそろ帰るか。
散らばったサッカーボールを集めて、カゴにいれる。それをガレージに押し込んで、ようやく片付けが終わる。
はぁ、と一息ついて、エナメルバッグを担いで、サッカーコートを後にした。
アイスでも買って帰るかといつもの帰り道から外れ、コンビニのある通りへ出た。コンビニに行くときにはいつも通る道のはずだった。
は?こんなところにゲームセンターなんかあったか……?
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