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    ディルガイ メモ

    ツイートしようと思って打っていたら予想以上に長くなってしまったのでこちらに。

    大戦前に信じようとする話。


    オム・ファタールは運命の男と魔性の男、オム・ルイネは破滅する男。そのどちらも併せ持つ❄️になっていればいいなと思っています。

    #ディルガイ
    luckae

    お前は信じてくれるか「俺のためなら何でもすると言ってくれるか?」
    逆光に照らされ輪郭だけが浮き上がったガイアは、今し方自分へ祖国への思いを聞き、愛の言葉を伝えたディルックへ問いかける。太陽の光が眩しくて、ガイアの顔は反転するように暗かった。表情が読み取れない。泣いているようにも笑っているようにもディルックには思えた。
    「………内容に、よる」
    ディルックは震えた声で返す。
    「ハハッ」
    ガイアは笑って窓際から本棚の方へと移動した。顔が見えるようになってディルックは安心し、肩の力を抜いた。ガイアはディルックの横を通って、大きく派手な壺の前へと向かう。
    「それでこそディルックだよ」
    ガイアが言う。壺の表面を指でなぞりながらこう続けた。
    「俺にもし、………もし、お前にもまだ伝えていない秘密がまだあるとしたら、どう思う?」
    ガイアは、自分の姓にある二つの意味の大きさをはかりかねていた 。
    (旅人たちには知られてしまったが、旅人はああ見えて口がかたい。パイモンだって、プライベートな話題は言いふらしたり、隠し損ねたりしない………)
    ガイアは自分の生まれについてディルックに話すかずいぶんと長い間迷っていた。幼少期から喉の奥には重たい鉛を抱えているガイアにとって、秘密の自己開示は最大の賭けであった。ガイアは既に、一度負けている。
    壺から指を離し、手をぶらんとさせる。
    「どう………、分からない。だが、今度こそちゃんと、君のことを考えながら聞くと誓う」
    「ハ、」
    ガイアはディルックの方に振り返った。
    「信じるぜ」
    ディルックはガイアのことを抱きしめた。おずおずとディルックの腰に手を回したガイアを逃がさないように力を込める。ガイアの言うことを全て信じれると、全て信じようとディルックは思った。冬の太陽がワイナリーを白く照らす朝の事だった。

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    PROGRESSいつか、その隣で笑えたなら/ディルガイ

    「猫の王国」パロ進捗(随時更新その1)。死ネタ前提のためご注意ください。
    色々都合よく変えてます。
    じわり、と優しいあたたかさに包まれて、ガイアは自分の体がひどく冷えていたことに気付いた。
    「……え、あ……」
     ここはどこだ。唐突に訪れた心地よさに、瞼を開くことすらなんとなく億劫で、けれどいつまでもそうしているわけにもいかなかった。
     ──そうして開いた視界の中、まず目に入ったのは白い天井だった。
    「ここ、は」
     言いかけてふと、褐色の肌が目に入る。どうやら自分が全裸であるらしいと、知覚した瞬間ガイアは体を強張らせた。
     だが特に重苦しいわけでも、痛むわけでも汚れているわけでもないことを知ってふう、と息をつく。そうしてようやく見回した室内は、雪原を思わせる白一色。ガイアが寝かされていたベッドは随分と質の良いもので、何が起こっているのかを彼が理解するよりも早く。
    「……ようこそ、猫の国へ」
    「ッ⁉︎」
     耳慣れた声、に感じた。けれどガイアが知っているものより少し低い。慌てて声のした方へと目をやれば、そこには壁にもたれた青髪の青年が1人。
    「……お前、は」
    「僕はラグ。どこにでもいる猫騎士だ」
    「何、言ってんだよ……?」
     意味が分からない。どこからツッコめばいいのかも、そもそもお前髪は 9248