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    ピザ食べたい

    遊戯王ARC-V ユーリ×夢主♀(顔あり)/FGOカルぐだ♀ジュナオぐだ♀他

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    ピザ食べたい

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    オマジナイをすることになった女夢主とユーリの話。長い。

    #遊戯王
    gameKing
    #遊戯王ARC-V
    yu-gi-ohArc-v
    #ユーリ(遊戯王ARC-V)
    yuri
    #ユーリ
    yuri.
    #ユリ女夢主
    #ユリ夢主

    オマジナイ(遊戯王ARC-V ユーリ×女夢主)この日の放課後、ユメは図書室で一人勉強をしていた。
    周りに生徒はおらず、彼女は黙々と問題を解いていく。
    (……えーっと。これどうやって解くんだっけ?)
    親友が貸してくれたノートをペラペラと捲っていると―

    「―ユメさん。今いいかしら?」

    彼女の視線にショートヘアの女子生徒、もう一人は腰まであるロングヘアーの女子生徒が立っていた。
    「え? あ、えっと……」
    (あれ? この人達どこかで見たことある……?)
    「突然声をかけてごめんなさい。三年のFです。こちらは三年のEです」
    ロングヘアーの女子生徒がショートヘアの女子生徒に視線を向けながら答えた。
    「どうも」
    ショートヘアの女子生徒はぶっきらぼうに返事をした。
    「ど、どうも……あ、あの、先輩達、わたしに何かご用でも……?」
    「えぇ。ちょっとワタシ達に付き合って」
    言いながらユメの前にEが座り、Fもあわせて隣に座った。
    (な、何されるんだろう……)
    「E、ユメさんが怖がってるじゃない。
    ごめんなさい。私達ユメさんにお願いがあって声をかけたの。ねぇ、ユメさんは好きな人っているの?」
    「えっ!?」
    ユメの驚く声が室内に響いた。
    「驚きすぎでしょ」
    Eが呆れた表情で言った。
    「ふふっ。その表情を見るといるのね?」
    Fがニヤッと笑いながら尋ねた。
    「い、いえ。い、いません」
    ユメの脳裏に同学年のユーリが浮かんだ。
    (ゆ、ユーリくんは好きというより尊敬のほうが強いし……!)
    「……そう。でも大丈夫。『×××さん』がユメさんの願いも叶えてくれるから」
    「×××さん……?」
    初めて聞く言葉にユメは首を傾げた。
    「知らないの?『×××さん』はどんな願いも叶えてくれる凄いヒトなんだよ」
    答えながらEは鞄から紙とペンをテーブルに置いた。
    紙には文字列や記号が手書きで記入されていた。
    「E先輩……これは?」
    「『×××さん』を呼ぶための一式。ユメさん、一旦教科書とかしまってくれる?」
    「あ、は、はい……」
    教科書などを鞄にしまいながらユメはあるものが過ぎった。
    (……あれってもしかして降霊術じゃ―)


    「何してるのー?」


    「「!?」」
    「ゆ、ユーリくん……」
    ユメの背後からユーリが声をかけてきた。
    「あれ、いつものお友達がいないじゃん」
    「えっ? う、うん。Aちゃんは委員会の仕事でいなくて……」
    「ふーん。で、その二人がユメの新しい友達?」
    「ちょ…ユーリくん! 三年生の先輩方だよ!」
    「こんにちは、ユーリさん」
    「……どうも」
    「それよりユメ。何してるの?」
    (せ、先輩達の挨拶を……む、無視!?)
    チラッと二人の先輩を見ると不機嫌な表情を浮かべていた。
    「えーっと……こ、これは……その……」
    「ユーリさんも一緒に『×××さん』をやりませんか?」
    返答に困っているユメに代わってFが答えた。
    「『×××さん』? ナニソレ? ねぇユメ。『×××さん』って何?」
    (わたしも分かってないのになんでわたしに聞くのかな?)
    「『×××さん』は降霊術の一種。手順通りにやればどんな願いも叶えてくれる」
    ユーリを睨みつけながらEが答えた。
    「なにそれ……面白そうじゃん! 降霊術ってやつ?
    僕やったことないから一緒にやろうよ、ユメ」
    「えっ? えっ?」
    戸惑うユメの隣にユーリが座った。
    「それで? 何すればいいの?」
    「……ユーリさんも参加するのね。そうしたらこの紙に願い事を書いて」
    Fがユメとユーリに小さい紙を渡した。
    「は、はい……」
    「願い事かぁ。ねぇねぇ、ユメは何をお願いするの?」
    「『×××さん』以外に願い事を教えたら失敗するから。隠しながら書いて」
    「ちぇっ、つまんないの。あ、ユメ。筆記用具貸して」
    「う、うん。ちょっと待って……」
    ユメは鞄から筆記用具を取り出し、ユーリに貸した。
    「ありがとう。さーて、何書こうかな」
    (……うーん。確か降霊術って成功しても代償がある話を聞いたことがあるような―)
    「おっと。ごめんユメ。ペン落としちゃった」
    「あっ、わたしが拾うよ」
    ユーリとユメが同時にテーブル下に屈んだ。
    「……ユメ」
    「ん?」
    「何も書かなくていいから」
    落としたペンを掴んだまま、ユーリは囁くように言った。
    「え……?」
    「僕に任せて。ねっ?」
    「…………」
    ニヤッと笑みを浮かべる彼にユメは何と答えていか分からなかった。

    「二人とも書けた? じゃあ書いた紙を四つ折りにしてこの紙の下に置いて」
    Fの言われた通りにユメとユーリは書いた紙を折り、手書きの紙の下に置いた。
    (……この手書きの紙、真ん中に円がある……)
    四つ折りにした紙の上に丸い円がちょうど重なった。
    「では始めましょう。真ん中の円に人差し指を置くの。そしたらこう言って。
    【『×××さん』『×××さん』聞こえましたら丸い円にお越しください。貴方の好物をご用意してあります】あとは『×××さん』がやってくださるから、私達は指を動かさずに待ってればいいの」
    「わ、分かりました」
    「はーい。ワクワクするね、ユメ」
    「…………」
    「……いくわよ。せーの」


    【『×××さん』『×××さん』聞こえましたら丸い円にお越しください。貴方の好物をご用意してあります】


    ばちっ

    「えっ?」
    室内の蛍光灯の明かりが消え、暗闇に包まれた。
    「へ、部屋の電気が消えちゃいましたけど……!」
    「大丈夫だよ。すぐに復旧する」
    慌てるユメをユーリがなだめる。
    「ところで先輩達。『×××さん』って何の幽霊か知ってる?」
    ユーリはEとFに尋ねた。
    「えっ?」
    「願いを叶える幽霊か遣いなんだろ」
    「……ククク」
    ユーリの笑いが暗闇の中不気味に響く。
    「「!?」」
    「ゆ、ユーリくん……?」
    「アハハハハッ。あぁごめんね、ユメ。可笑しくてつい笑っちゃった」
    「な、何だよ! 急に笑いやがって!」
    「ど、どういうことなの? ユーリさん」
    「あれれ~? 先輩達知らないの?
    『×××さん』って呪いなんだよ」
    「の、呪い……!?」
    「うん。殺したい相手を『×××さん』にお願いして呪殺してもらうんだよ。先輩達、誰を殺したいの?」
    「ち、違う! 『×××さん』は願いを叶えるんだ! 呪いじゃない!」
    Eの怒り声が響く。
    「わぁ怖い怖い。でも大丈夫? うるさいと『×××さん』怒っちゃうよ?」
    「ユーリさん……何が言いたいの?」
    「フフッ。言っちゃっていい? 先輩達の願い事は叶わないよ」
    「はぁ? な、何でだよ!」

    「だって僕、紙に何も書いてないもん」

    「な……っ!?」
    「呪殺したい人の名前を書いてない紙を置くと『×××さん』は儀式を行なった人達を呪殺する……ただし、紙に呪殺したい人を書いてない者は除くだっけ。
    僕はもちろん、ユメも書いてない」
    「はぁ!? アンタ、何も書いてないの!?」
    「なんで! どうして!?」
    EとFがユメを問い詰める。
    「せ、先輩達……?」
    「クククッ。残念だったね。あっ、もしかして先輩達気づいてない? 『×××さん』教えた人ってGでしょう?
    Gはキミ達と同じファンクラブじゃなくて別のファンクラブの人だってコト。あれれ~知らなかった?
    何で僕が知ってるかって? キミらが勝手に作った僕のファンクラブに男子学生が何人かいるでしょう。
    彼らは僕の手下なんだ。最近、過激なキミ達が邪魔だから『×××さん』を使って消えてもらう話をGのファンクラブにいる彼らから聞いたんだよ」
    (……あっ! 思い出した。E先輩、F先輩はユーリくんのファンクラブの人達だ……!)
    「そ、そんな……Gが別のファンクラブに入ってるなんて……! 私達はユーリ様に近づく奴を排除したいだけなのに!」
    「ムカつく……! アンタ、弱いくせに……!」
    「え……っ」
    「おい。ユメの悪口―」


    【ア"……ァ"……ア"……】


    「「「!?」」」
    掠れた声が室内に響いた。
    「おっと。『×××さん』のおでましだ。ユメ、ちょっと目を瞑ってて。早く」
    「う、うん……」
    ユーリとユメは丸い円から指を離し、彼女は目を閉じ彼はユメの両耳を手で隠した。


    【ア"ァ"……ア"ア"ア……】


    掠れた声がEとFにに近づく。
    「な、何で……体が動かない……!」
    「どうして……! 『×××さん』……!」
    「クハハハハッ。先輩達、いい顔してるねぇ」
    ニヤニヤ笑いながらユーリは言った。
    「た、助けてよ!」
    「そ、そうよ! 見てないで助けて!」
    「え~どうしよっかな~。
    あ、でもさっきユメの悪口言ったよね?
    ユメのことを悪く言う奴は地獄へどうぞ行ってください」
    ユーリは片手で追い払う仕草をした。
    「くそ……っ!」
    「いや……いやいや!」
    EとFの背後に影が揺らいだ。


    【バイ…バイ…】


    「ひっ!?」
    「いゃぁぁぁっ!!」
    EとFは『蠢くナニカ』に引きづり込まれた。


    *


    「ごめん、ユメ! こんなに時間かかるなんて想定外で……ってあれ? ユメ?」
    Aが図書室に入ると生徒は誰もいなかった。
    「……司書さんしかいないじゃん。もしかして待たせ過ぎて帰っちゃった? やばっ。貸したノートに間違いがあったから伝えないといけないのに。
    えーっと、スマホスマホ……! 図書室で電話は出来ないから外に出て……もぅ、スマホはどこだ……!」
    急ぎ足でAは図書室を後にした。


    「……行っちゃったね、A」
    フフっと笑いながらユーリは言った。
    テーブルの下、ユーリがユメを押し倒す格好で彼は囁く。
    「大丈夫、ユメは悪くない。悪いのはアイツらだから。ユメは僕が守ってあげる。
    何でって? アイツらユメが弱いとか言ってたけど関係ない。ボクはユメと一緒にいるといつでも楽しいんだ。今までも、そしてこれからも。
    だって僕はユメが大好きだから……」
    ユメが何か言おうとする前にユーリは彼女の唇を自身の唇で塞いだ。

    テーブルの上には千切れた紙が散らばっていた(END)





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