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    sirome0_0

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    その時好きなジャンルのSSを書きます。
    オリジナルも書きます。
    そんな感じです。

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    「ありがとな」の意味と次期三年

    #tnsの日常

    「宍戸さんの夢は」
    「秘密だ」
    「…ありがとな、長太郎。」

    あの時どうしてすぐに気づかなかったのだろう。この宍戸さんの感謝の言葉が、夢の一つの終わりを意味していると。
    どうしてもっと…

    「鳳、おい、鳳。」
    「…何。」
    「ぼさっとするな、練習の邪魔だ。」
    「ねぇ、日吉。俺は宍戸さんの夢を一つ奪っちゃったのかな。」
    「は」

    言葉の意味に気がついた日から、なんだかうまく立てない。
    練習に身が入らない。
    日吉の言う言葉が正しい。
    でも、宍戸さんがいないこのコートに吹く風があまりに冷たくて、何度も何度も温かいあの声を思い出してしまう。

    「…宍戸さんが、そう言ったのか」
    「え」
    「宍戸さんが、お前に、そう言ったのか」

    日吉はそんな俺にただ、淡々と言葉を投げてくる。
    「…違う、けど。」
    「宍戸さんは、いつ何をお前に言ったんだ」
    「…それは、夢の話をしたときに『ありがとな、長太郎』って。」
    「なら、そういう意味だろ。あの人はお前が思う先まで言葉に意味を持たせない。」
    「…」
    「…なんだよ。」
    「…いや。」
    「それにお前はダブルスの試合で勝っただろ。」
    「そっか。」
    「あと、宍戸さんはちゃんと練習をしないお前のことを二度とダブルスパートナーには選ばないだろうな。」
    「ねぇ、さっきからちょいちょいチクチク言葉使うの何」
    「チクチク言葉とか幼稚舎かよ。ほら、練習するぞ。」
    そう言って日吉は、俺に背を向けてコートへ向かう。
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