「長生きはするものだな」
─俺はお前の剣の一振だ
「……」
特異点修復後かの剣士から掛けられた言葉に果たしてどの意味を当てはめれば正しい意味になるのか。そのまま取れば数ある英霊の内の一騎とすればまぁ話は早かったかもしれない。そうか、それじゃあ宜しくと握手のひとつでも交わせば終わったのだろう。
伊織に他意が無いことぐらい分かっている。記憶が無いと言ってもかつての友とは親しい様だしカルデアで目にする彼の隣には大体ヤマトタケルがいた。
「脈ナシ、そりゃそうだよね」
あれだけ仲睦まじい姿を度々見ている身としては微笑ましいと笑みも浮かぶのだがそんな時に限って伊織はなんとも言えない表情をしていた。憂いているような落胆もしたようなそんな。
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