「ギィヤァァァァァァァ!!!」
「うわっ、どうしたんだ急に。」
「やだっ!何この音!?」
「音?音がどうしたんだ?」
「やばいやばいやばい!!近づいてくるんだけど!?」
「本当にどうしたんだ善逸!!」
「どうかしましたか!」
「諸悪の根源!!諸悪の根源来ちゃったよ!!」
「「え?」」
「いやほんと何その音!?ていうかアンタ誰!?何その服ぅ!?」
「あ、あの……大丈夫ですか?」
「多分大丈夫ですよ。善逸はいつもこうなんで!気にしないでください。」
「なんで炭治郎はそんな何もない風なの!?こんなやばい音させてるのに!?炭治郎だったら匂いでそういうの分かるでしょうが!!」
「でもこの人からは優しい匂いしかしないぞ。」
「嘘でしょ!?こんな怒ってる音させてるのに!?」
「……怒ってる音?」
「おい悪魔、先に行くな。」
「俺は悪魔じゃねェ!!」
「……は、」
「にしてもさっきからうるさいなお前。頭大丈夫か?」
「おい失礼なこと言うなバカ!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!何この男前!?」
「「「うわっ」」」
「おかしいでしょ!!顔面格差酷すぎる!!は??絶対モテるだろお前!!」
「騎士だからな。」
「ふっざけんな!!」
「うぉっ?!」
「声までいいとか天は二物も三物も与えるの!?俺にも1つくらい分けてくれたっていいじゃん!!1つくらい寄越せよォ!!俺だってモテたい!!」
「いい加減にするんだ善逸!!」
「イターーーーッ!!何するんだよたんじろ〜……」
「どうしてそんなに恥を晒して人に迷惑かけるんだ!善逸はもう少し他人を慮った方がいいぞ!」
「は〜〜〜〜〜???だったらお前はあんな男前見て嫉妬しないって訳?!男なら絶対嫉妬するでしょ!!あの顔にあの声で産まれたら人生勝ち組じゃん!!」
「いや俺はしない。」
「何でだよっ!!」
「俺は俺のままで十分だ。」
「出たよ自己肯定の鬼!!」
「善逸も善逸のままでいいと思うぞ。それに善逸だって男前じゃないか!」
「た、たんじろ〜〜〜〜〜!!」
「泣いてすがるのは情けないからやめた方がいいと思う。」
「上げて落とすのやめて!?」
「えっと……」
「何でもないならもういいだろ。行くぞシンラ。」
「あ、ああ。」
「なんだ。まだなんかあるのか。」
「いや怒ってる音って何なんだろうなと思って。」
「……アンタ、ずっと何かに怒ってるだろ?俺は耳がいいから全部聞こえてるって訳。」
「お前怒ってるのか?」
「……さぁな。よく分かんないけどビビらせて悪かった。俺たちもう行くから!また戻ってきたらこの世界のこと色々教えてくれよ!」
「この世界?」
「……まるで自分たちが違う世界から来たみたいに言うんだな。」
「実際そうだしな。だから検診するらしい。」
「「へ?」」
「じゃあまたな!行くぞアーサー。」
「お前が手間取ってたんだろ。」
「違いますー!」
「……違う世界って本当だと思う?」
「俺は本当だと思う。あんな服は初めて見たからな。」
「都会だったらあるのかもよ。」
「俺たちは都会にだって行くだろ?その時に一度でも見た事あるか?」
「……ない。」
「じゃあ彼らの言っていることは本当なんじゃないか。」
「状況証拠がそう言っちゃってるもんな〜〜〜〜〜。えー?嘘でしょ?そんなことある?」
「俺たちだって鬼が本当にいるとは思ってもいなかっただろう?」
「まぁそうだけど……。ていうか炭治郎はなんでそんなに受け入れれてるの!?」
「血鬼術ならそういうこともあるかなって。」
「柔軟性ありすぎでしょ!!頭硬いのに!!」
「まぁまぁ。そう焦らなくてもいいと思うよ。」
「お前はもっと焦ろよ!!意っ味わかんないよ!!なんだよ別の世界って!!」
「それは彼らに聞けば分かるんじゃないか。帰ってきたら聞いてみよう。な?」
「アイツらとまだ関わるつもりなの!?ねぇやめようよ〜!!アイツらやばいって!!特に黒髪の方!!」
「そうか?2人ともいい人そうだぞ。優しい匂いだったし。」
「なんでお前はそう簡単に人を信じちゃうかなァ!!」
「俺の鼻が間違えることは無いからな。」
「あーあーそうですね!!炭治郎の鼻は正確ですもんね!!」
「ああ。だからきっと彼らはいい人だよ!」
「もうイヤーーーーーー!!!!」
「あーもう!!うるさいぞ善逸!!」
「イターーーーーー!!!!」
◇◇◇◇◇
「……な、なんか賑やかな人たちだったな。」
「うるさいだけだろ。」
「そうだけどさぁ……。そう言っちゃ悪いじゃん。だから賑やかって表現したのに……」
「うるさいものをうるさいって言って何が悪い。」
「そうだよなぁ、お前はそういうヤツだよなぁ……」