明日はカップケーキを焼くことにした。お題:花束、不意打ち
お子ちゃまやお腹が空いた大人たちにおやつを食べさせ、夕飯の時間までフリーになったところ、ファウストにお茶を飲もうと誘われた。
ファウストは婿さんに勧められたのだという紅茶に街で買ったらしいお菓子を並べる。甘い香りが部屋を満たす。お互いに一口飲み、ほっとしたところでファウストの口が開いた。
「良いことと悪いこと、どっちから聞きたい?」
吹き出しそうになったところを耐える。
「えっ、と……悪いこともあんの?」
「ある」
キッパリと告げるそれに聞きたくねぇなぁと思いつつ、先に悪いことを終わらせておこうとじゃあ悪い方で、とファウストを見た。
「わかった」
パチン、と指を鳴らして現れたのは何枚かの紙。
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