高間晴☆quiet followTRAININGロナドラ800字。死別ネタ。 ##94SS ■しょっぱいジャム 台所から立ち上るのは、煮詰められた甘い甘いジャムの匂いと湯気。それを嗅ぎつけたジョンが主人のもとへ駆け寄って足元で「ヌー」と鳴いた。「おや、ジョン。味見したいのかね? まだ煮詰めきれてないんだけど」「ヌヌヌーヌ!」 そう胸を張って言えば、ドラルクが笑ってシンクの上にジョンを持ち上げて立たせる。「こぼすといけないからな。 ――今日は特製クランベリージャムだ」 そう言ってひとさじ、大きな鍋から真っ赤なジャムをすくうと充分吹き冷ましてからジョンの口元にやる。すぐに食いつくジョンにドラルクは顔をほころばせた。「オイシー!」「はははっ。そうだろう。これだけ作り置きしておけば、あの若造にだっていくらでも――」 そこで思い出したようにドラルクの表情が曇る。「――……そうだ、もういないんだっけ」 もうロナルドが死んでどれくらい経つのだろうか。もう彼が死んでしまったことすら忘れるくらい長い時を、使い魔と二人きりでドラルクは過ごしていた。 その間ドラルクが感じたのは、空虚と退屈さだった。当然のことだが人間が一人死んだくらいではこの世界は変わらない。だがドラルクの心にはぽっかりと虚ができてしまって、それを塞ぐ手段はなかった。 そしてそれはふとした時にいつまでも癒えぬ生傷のように痛みだす。例えば、棺桶から起きて自分で部屋の明かりをつける時。複数人で遊ぶパーティーゲームのたぐいを買わなくなったのに気づいた時。そして、今日のようにジョンも食べ切れないような大量の料理を作ってしまった時。 つ、とドラルクの頬を涙が伝う。ジョンが気遣ってヌン語で慰めようとしてくれるのが、逆に苦しかった。ドラルクはジョンを抱きしめると静かに涙をこぼす。 鍋の中では真っ赤なジャムがぐつぐつと煮えている。まるで彼への想いがそのまま料理になったみたいだった。煮詰められて、いつまでも味が変わらないジャム。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow 高間晴MOURNING140字敦太。 10 高間晴DOODLE敦太R18pass:18↑?すけべどうやったら描けるねん…… 高間晴DOODLE普段すけべを描かない人間の精一杯の敦太すけべpass:18↑? 高間晴DOODLE敦太すけべらくがきpass:18↑? 高間晴PAST過去の文スト短歌。カップリングとかはなんでもありのカオス。 40 高間晴DOODLE接吻せい……の心持ちで描いた recommended works GACHA_gazankaCAN’T MAKEこれはちゃんと仕上げたい絶望人魚ちゃん sochang404PAST松(2016) 15 naoki_osomatsuPAST2016年この頃の方が可愛く陽気に描けてた気がする 高間晴TRAININGロナ。 星を見つめる184DOODLEこの14好きだった 高間晴DOODLEチェズモク800字。お揃いのマグカップ。■おそろい モクマはチェズレイとともにヴィンウェイのセーフハウスに住むことになった。あてがわれた自室で荷物を広げていると、チェズレイが顔を出す。「モクマさん。やっぱり食器類が足りないので、買い出しについてきてくれませんか」「おっ、いいよー」 タブレットに充電ケーブルを挿し込んで、モクマはいそいそと後をついていく。 食器店――こちらの方ではテーブルウェア専門店とでも言うのか。最寄りの店に入る。そこには洒落た食器が棚に所狭しと並んでいた。さすがチェズレイも利用するだけあって、どれも美しい芸術品のように見える。「ええと、ボウルとプレートと……」 店内を歩きながら、モクマの押すカートに食器を次々と入れていく。「あとはカップですが、モクマさんがお好きなものを選んでくださって結構ですよ」「ほんと? どれにしようかなぁ……」 白磁に金の葉の模様がついたものや、ブルーが美しいソーサーつきのカップなどがあって目移りしてしまう。そこでモクマは思いついたように訊いた。「なあ、お前さんはどれ使ってるの?」「――そうですね、普段はこのブランドのマグカップを使っています。軽量で手首に負 825 Getsu8BDOODLEオータム書店のフクマさん 3_noru_94Happy New Yearこっちにも。初詣に行きたいみっぴき&三人 keiPROGRESSロナルドくんが描きたい