Shall we get something to eat場地が千冬と出会ってから何度目かの10月31日、いつものように仕事帰りに千冬の家に夕食を食べに来ていた場地が、ふと手を止める。
「どうしたんスか?」
味付けがおかしかっただろうかと、千冬は場地の顔を見る。今日は一虎は女の子とハロウィンパーティーに行くと言ってこちらには来ていないので、久しぶりに場地と二人の食卓だ。
「なんかよぉ…」
ばじは箸を持ったまま、皿に乗っている生姜焼きを見つめていた。
「俺、前に、こうしてオメーと2人でメシ食いてぇなって思ったことがあったような気ィすンだよ」
何かを思い出そうとするように少し眉間に皺を寄せる場地は、千冬の視線に気付くとニッと笑った。
「まあ気のせいかもしんねーけど。でも、オメーとメシ食う時間、好きなんだよな」
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