SS(コノキラ)空いた隙間のシーツに手を滑らせると、微かに温もりが残っていた。
手繰り寄せ、すぅ、と呼吸を深くする。鼻を掠めるのは彼の匂い。
掻き抱きながら耳を澄ませると聞こえてきた水音に、彼はシャワーを浴びているのだと分かった。
今何時だろうか。
手を伸ばした先の時計を取ろうとして触れた布の感触に、キラはあれ?と微睡んでいた意識を浮上させる。
掴んでいたのは白い手袋。
コノエが外出時にいつも着用しているそれに、昨夜のことを思い出してカァァ、と頬に熱が集中した。
久しぶりに二人きりで。
そのことが嬉しかったのに、帰宅した彼は手袋をそのままにキラに触れようとした。
彼の大きな、少しゴツゴツとした手が好きなのに、外行きのその存在に残念だと思い、それは嫌だと拒否をすればーーーーー。
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