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    yori

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    白手袋このさん絵からの、とーこさんが書いてくださったssからの、派生(長い)
    もはや手袋あんま出ない。。。

    #コノキラ

    SS(コノキラ)空いた隙間のシーツに手を滑らせると、微かに温もりが残っていた。
    手繰り寄せ、すぅ、と呼吸を深くする。鼻を掠めるのは彼の匂い。
    掻き抱きながら耳を澄ませると聞こえてきた水音に、彼はシャワーを浴びているのだと分かった。
    今何時だろうか。
    手を伸ばした先の時計を取ろうとして触れた布の感触に、キラはあれ?と微睡んでいた意識を浮上させる。
    掴んでいたのは白い手袋。
    コノエが外出時にいつも着用しているそれに、昨夜のことを思い出してカァァ、と頬に熱が集中した。
    久しぶりに二人きりで。
    そのことが嬉しかったのに、帰宅した彼は手袋をそのままにキラに触れようとした。
    彼の大きな、少しゴツゴツとした手が好きなのに、外行きのその存在に残念だと思い、それは嫌だと拒否をすればーーーーー。



    (うぅっーーーー)

    あんなの反則だ。
    脱がせてと言われたけれど、もたもたしてしまったキラに焦れたコノエは自身の歯で強引に抜き取ったのだ。
    見えた色欲を乗せた瞳の色もあいまり、まるで、獰猛な獣が獲物に食いつくように。
    キラも、こうして食われるのかと錯覚するかのような、普段の彼にはない仕草にたまらなく興奮してしまった。
    「こんなつもりじゃなかったんだけどな」
    どうしても会いたくなってしまって、一度脳裏に過ぎれば堪らなくなってしまって。
    訪れていた彼の部屋。
    そう待たずに戻ってきたコノエの姿を見ただけで胸が高鳴るなんて、そんなの。
    「僕、艦長が大好きみたいだ」
    ぽつりと言葉を落としながら今度こそ時間を確認するとまだ4時少し前。
    宇宙港に停泊中のミレニアムからは夜明けは見れないが、それでもまだ時間は随分と早かった。
    体の気だるさは仕方ないとして、それでもクリアになっている脳は、ここ最近キラが何を欲していたのかを明確にしていた。
    触れた肌とその熱と、自分を見つめる少し垂れた優しい瞳。
    「やだなぁ」
    「ーーーーー嫌なのですか?」
    「ーーーっ」
    まさか誰かに拾われるなんて思っていなかった言葉は、そのままに返される。
    誰かなんて一人しかいない。
    キラはびくり、としながら振り返った。
    そこにはルームウェアにしているジャージを穿いて、上半身は裸のまま、首にかけたタオルで強引に髪を拭いているこの部屋の主が立っていた。
    「か、艦長……」
    いつからそこに?と言葉にならないキラの訴えを正確に読み取ったコノエは、近づくとベッドに腰かける。
    ギシッ、と彼の体重分スプリングが軋んだ。
    「そうですね……『僕、艦長が大好きみたい……』」
    「うわああああああっっ」
    あと一言なのに。
    自身の大声でコノエの言葉をかき消すと、キラは握ったままだった白の手袋を放り投げた。
    彼の胸に頭を下げて預ける。
    今顔を見られるわけにはいかない。決して。
    けれど目を向けた先にあったのは、隊服を着ていれば分からない、隆起したキレイな筋肉と、シャワーで少ししっとりとした肌。慈しむように優しくキラの髪の毛を梳く腕にも筋肉がしっかりとついていて、コノエはとても着痩せするタイプだった。
    途端にこの腕に、この体に抱かれているのだと自覚してしまい、赤くなった顔を隠したかったのに、さらに熱くさせられてしまった。
    たいして一緒に見えた自分の薄い腹に落ち込む。
    あーだの、うーだの唸りながら、サラサラの髪の毛で顔は見えないがその隙間から覗く耳まで赤い様子から、キラの心情なんてダダ漏れで、コノエは零れる笑みを隠せない。
    常には無い、二人きりの時に見せる素直なそれがとても可愛らしく、時折情欲を誘うのだからとんでもない恋人だった。
    「私はこのままでも気にしませんがーーーー」
    手を髪から頬に滑らせる。
    上を向かせるようなその仕草に、キラはおずおずと顔を上げた。
    「もう少しお肉があるとさらに抱き心地はよくなるかと」
    「だきっ……って、僕は筋肉付けたいんです、けど」
    「確かにパイロットとは思えない身体ですな」
    この細い肢体で、よくあのGに耐えられていると思う。コノエはパイロットではないが、アカデミーの実習で何度か乗ったことがあった。
    フリーダムにかかるGはあの比ではないだろうが、だからこそより顕著に思うのだ。
    「全くないわけじゃないんですよ?ただ、なんか周りが」
    脱いだらすごいんです、の代名詞ばかりなのだ。
    自分と同じように見えて、実は筋肉ムキムキです、なんてずるい。
    ただ筋トレが好きなわけではないので、大声では言えなかった。
    「准将はそうですな、まず体力をつけましょうか」
    「体力は、あまりないですけど……」
    体力をつければ筋トレにも嫌がらずいそしめるだろうか。
    いや、そもそも面倒だ。
    夜コノエが日課である筋トレを眺めるのは飽きないのに、自分がするとすぐ嫌になる。
    この差はなんだろう。
    「それもありますが……」
    言いながらつ、とコノエがキラの背中を指で辿った。
    臀部まで届く頃には落ち着いていた熱が簡単に呼び起こされた。
    「私の相手をして頂かなくては」
    「え?!」
    「寝かせてあげたいところですが、散々煽っていただきましたので」
    大人しく食べられてください、と体を入れ替えられ、シーツに沈められた。
    明日、いや今日は准将は午後からの出勤ということで、お願いしますと耳元で囁かれれば、キラには抵抗のしようなかった。


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