SS(コノキラ)「彼氏に入り浸れて困ってる」
食堂にいると、ふと耳に入ってきた会話になんとなく意識を向けた。
ざわついた中で、特に大きな声でもないのになぜか聞こえてくる声があるが、そんな感じでキラとて聞こうとして聞いたわけではない。
「どーゆーこと?」
「雑誌の特集なんだけど、彼氏が部屋に入り浸ってて帰ってくれないんだって」
「うっわ、迷惑……プライベートだって欲しいじゃん」
「ねー?」
青い服に身を包んだ二人の女性クルーに恐らく他意はない。端末をみているから、雑誌のデジタル配信を見ながらのただの雑談だ。
けれど。
(…………僕)
ふと我に返った。
勤務が終わりーーー正確に言えば総指揮官のキラは特に勤務時間は決まってないので自身のさじ加減なのだが、不足してきたなぁ、と思ったらキリのいいところで仕事を切り上げ、コノエの部屋に行く。
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