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    JUNE

    @JUNE74909536

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    JUNE

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    こんなデュ監が書きたいなという落書き

     オンボロ寮には、よく他寮の学生たちが泊っていく。それはほとんどが監督生の同学年の友人たちで、彼らは定期的に集まっては勉強会という名目でバカ騒ぎをする。

     だがそれ以外で個人的に泊まりに来るのは、ひとりだけだ。少なくとも、デュースはそう認識していた。自分だけ。たとえエースだって、一人で朝までいることはない。

     腕の中で、眠ったままの監督生が身じろぎする。一時間前には濡れて熱く火照ったはずの肌はすっかり冷えており、デュースは上掛けを引っ張る。世界があまりにしんと静まりかえっているのは、雪が降っているせいかもしれない。暖炉の火はすでに消え、真夜中のオンボロ寮で起きているのはきっと自分だけだ。さっきまで、彼女と体を重ねていた時にはこんな気持ちにはならなかった。その時だけは、いつも夢中になれる。余計なことは考えずに。

     おそらく無意識だろう。監督生がデュースに身を寄せる。寒いなら、温めてあげたい。彼は彼女を抱きしめ、その髪に顔を埋めた。くしゃくしゃに乱れた髪も、愛しいと思う。乱したのが自分ならばなおさら。デュースが力を入れすぎたのか、監督生が苦しそうに「んん」と寝言で不満を表す。その様子が可愛くて、彼は思わず笑みを浮かべて力を抜いた。

     朝になれば、何もなかった顔をして授業を受ける。監督生も、普通の親友という顔でデュースを見る。それが時々、彼を辛い気持ちにさせた。だが当然のことだ。

     二人がただの親友なのは事実だから。

     監督生が好きなのはエースだから。







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