連れ立って全く、あんたは相変わらずだな。
そう告げるのは、今はなき本丸の初期刀だった山姥切国広が、己の刀剣の後ろで胡座をかいて座り1人綺麗だと呟く元主人を見ながら柔らかく微笑み立ち上がった。
隣に胡座をかいて座る山姥切長義もまたそんな山姥切国広を見ると横に置いてあったバインダーに挟まる紙を見た。
「君の主のようだね。偽物君、行くのか?」
「嗚呼、折角俺を観にはるばる来てくれたからな。次のあの世への御伴は、俺の番だ。
俺が連れて行くさ。」
「それにしても、君達は元の主人を見つける事に関しては、俺達よりも目ざといな。」
「俺達は、初期刀だからな。
いずれあんたも気がつくさ。」
「へぇ、それは俺達に喧嘩を売っていると言うことかな。偽物君」
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