ご飯もパンもデッドプール、もといウェイドと同居を初めてから俺は気付いた事がある。
このヒーローは、俺以上に食事をおざなりにしやすい。
「おい、サンドウィッチ喰うか携帯電話見るかどっちかにしろ」
行儀の悪い子供を窘めるように、俺が向かいのテーブルへと声を掛ける。
「ああ悪いウルヴィー……ちょっと仕事の依頼が入っちゃってさぁ」
そう返しながらもウェイドはサンドウィッチを口へ運びながら携帯の画面を睨んでいた。
「――オレを連れて行けばいいだろ」
世界の崩落を防いだとは言え、歴史の因果を収束する為との名目でデッドプールはTVAに雇われ大忙しの様子だった。
虚無へのポータルを閉じようとして向こう側からやって来た刺客と戦い続ける日々だ。
2130