映画よりももっともっと「蛭魔くんって阿含くんと仲良いよね」
「あ?」
そんな事を言い出したのは、同じゼミの女だった。
「確かに!よく一緒にいるとこ見かけるし」
「前に試合見に行った時、ハイタッチしたり肩組んだりしてたじゃん。私、阿含くんがあんな眩しい顔できるの知らなかった」
「相合傘で帰ってた事もあったじゃん」
「その後同じマンションに入ってったのを見たってうちの友達が言ってたよ」
「よく泊まりあいっこしてるって噂だし」
「一緒に出かけてるとこ見たって聞いた事あるよ」
「この間、後ろから来た自転車避けるのに、蛭魔くんの腰に腕回して引き寄せたって」
「キャー!ほんとに?」
「ていうかボディタッチ多いよね」
「やっぱり仲良しじゃん!」
確かにどれも真実だ。試合後共に喜びあったり、傘が1つしかないので一緒に入って帰ったり、偵察のデータ整理や次の作戦を立てる為、互いの家に泊まりあったり。ボディタッチというほどではないが、腕を引かれたり、あいつが俺の肩を借りて昼寝したりはした。
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