ねむいの!※ほんのりカップリング要素ある
「加州、眠いの?」
「……ん、あ?」
夜も更けて書類の作業をのんびりとこなす隣りでこっくりこくりと舟をこぐ加州清光。
寝ぼけた様な声で返事をする。加州は手持ち無沙汰な時よく眠そうにしている……と言っても今は作業中なのにね?
「そろそろ寝よっか」
そう声を掛けると彼はこくりと頷いてみせた。
そんな彼の頭を撫でてやると布団を敷いて寝る支度を始める。
「お布団敷いたよー」
ぽんぽんと布団をたたくとよろよろとそこまでにじり寄り倒れ込む。布団を掛けてやると身体を丸めて、すうすうと浅い寝息を立てて眠ってしまった。
「今日はいっぱい出陣したから疲れたんだね……?」
眠る彼の髪をそっとねぎらうように撫でた。
そろそろ私も寝ようと隣り布団を並べて床に就く。
目を閉じて加州の寝息に少しつづ私も眠気に誘われて少し意識が遠のいていく。……筈がずしっと何かが私の腹にのしかかって目を覚ます。
「眠れなーい……」
「書類整理してる時あんなに眠そうだったのに?」
「今はあんまり眠くない」
先程まであんなにうとうとしていた加州が、唐突に目を覚まして私のお腹を枕にしてうつ伏せに寝そべる。
「……重いんだけど」
そんな事言う私にお構い無しでゴロゴロと額を擦り付ける……猫ってこんな感じなのかな? なんて呑気に考えていると、今度はもぞもぞと布団の中に潜り込んできた。
「ちょっ! なんで私の布団に入ってくるの!」
「だって寒ぃじゃん」
「自分の布団があるじゃない!」
「ヤダ、俺の布団冷たくて寒いもん」
そんな事を言いながら片手でぎゅっと抱きついてくる。
追い出すのも気が引けて仕方なくそのまま背中をさすってやる。暫くするとまたスヤスヤと規則正しい寝息を立て始めた。自分本位で時々突飛な事をしてくる彼だけど、何故かそれが可愛く思えるのはどうしてだろう……そんな事を色々と思い返しているうちに私も段々と瞼が落ちてきて深い眠りへと誘われていった。
「……おやすみ……加州」