ねかせて※ねむいのの続き
※ほんのりカップリング要素ある
「そろそろ寝よっかー」
「ん……」
相変わらず書類整理の作業中は眠そうな加州。布団を敷いていそいそと横になるとぽんぽんと隣りを叩いて、ここに来いと促してみる。
「えっ、何……急に?」
いつもの様に加州の分の布団を敷くわけでもなく、毎度毎度寒いからと言って私の布団に潜り込んでくる。だから今日は思いっきって私の布団に入る様に促してみると眠い目のまま怪訝そうに顔を望めている。
「ほら、早くおいで?」
にこにこと笑顔をうかへて再度ポンポンと布団を叩く。暫くの間沈黙が流れる。そしてようやく意図を理解したのかほんのりと頬が赤くなっている。
「今日は一緒に寝ないの?」
「……寝ないよ!」
そう加州が言い切ると私は大袈裟に残念がって見せる。その顔を見た瞬間彼は諦めたように溜息をつくと、渋々と言った様子で布団の中に入って来た。
「添い寝したいなら最初から言えばいいのにさぁ……」
「別にそういう訳じゃ無いけど?」
私が悪戯っぽく笑ってみせると何とも言えない複雑な表情をする加州。普段寝る時は手に布団に入ってくる癖にいざ呼ぶと恥ずかしがるのは面白い。
「ねぇ、寒いんだけど……」
「うん」
布団の中で彼の身体を引き寄せて温める様に包み込む。加州の身体は普段より少しだけ温かく感じた。
「……あったかい」
「そっか」
ふわりとした笑みを浮かべると加州は直ぐに夢の中へと旅立ってしまった。
「加州? もう寝ちゃった?」
返事がないのを確かめてから、腕の中の彼にそっと囁きかける。
「大好きだよ」
少しだけ耳元に唇を寄せて囁いてみたけれどやっぱり反応はない。……本当に寝てるみたいだ。
「おやすみ、加州……」
ゆっくりと目を閉じると私も深い眠りに落ちていった。