この気持ちがなんなのか忍術学園の放課後は、活気に満ちてそこかしこで賑やかな声が聞こえてくる。
一日の授業が終わり、夕食や風呂が始まるまでのこの限られた数刻で、生徒達は委員会活動や自主トレーニング、または趣味を満喫するために自由に過ごしている。
そんな賑やかな学園の中で、例外的に静かな場所が図書室だった。
本日の図書当番は六年生の中在家長次と一年生の摂津のきり丸の二人で、図書室内の受付カウンターに座り、テキパキと仕事をこなしていた。
主にきり丸が貸出と返却の作業を行いながら、隣に座る長次は簡単な本の補修や、延滞チェックをする。
また本を探している生徒に声を掛けられれば、図書室内の蔵書を知り尽くす長次が静かに起ち上がり、その本の置かれている本棚へ案内する。
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