水族館長🟥とタコ人魚🟩水族館といえば皆はどんなものを思い浮かべるだろうか。巨大水槽で悠々と泳ぐジンベエザメか、飼育員の指示で芸を行う海獣ショーか、雪のように美しいクラゲが見られる創意工夫のこらした展示水槽か…とかく見どころがある楽しいものであることは間違いないだろう。
しかしこの市営水族館はそのどれらにも当てはまらない。海洋生物研究を主目的としているからとはいえ、設備も古ければ目玉となる生き物もなく、地域の児童施設が情で遠足がてら足を運んでくれるのが一番客入りがあるレベルのさびれた水族館である。
こんな水族館だからカンコー鳥が鳴きわめき、飼育員も生物達の世話だけが仕事のようなありさまであったので、漁業組合から連絡が入った時は施設の人間たちは大層驚き、動揺した。内容はこうである。
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