9月18日 TRIGGERの新曲が「EVOLUTION」が披露された
ある番組収録で待機時間。
アイドリッシュセブン、TRIGGERが共に呼ばれた番組で大和がTRIGGERの楽屋を訪れていた。
中々時間が作れない恋人同士に気を遣った天と龍之介が10分程度ではあるが二人っきりの空間を提供してくれた。
お互い人気アイドルとして忙しく、お互いのぬくもりに焦がれていたので、その時間をありがたく受け取る事にした。
「…八乙女がさ、首元のアクセサリーある衣装って珍しいよな」
雑談から始まり、新曲の話から楽が今身に着けている新曲の衣装の話へと話が移り変わっていく。
今回の衣装、楽の首元に細いスエード生地で中央に煌めく装飾の着いたチョーカーが着いていた。大和はそのチョーカーが気になるのか話しながらも何度も目線が楽の首元へと移っている
「ん、これか?俺はあんまり付けることないから新鮮だけど、二階堂はこういう衣装多いよな」
「まぁ、ブラホワの時もそうだったしな」
「この、首輪みていにぴったりしてんの違和感あるよな」
「チョーカーな!なんか、一気にいかがわしいものに聞こえるから止めろよな」
楽はチョーカーに慣れていないのか、眉間にしわを寄せながら首と布の間に指を挟んで空気を通していた
「なぁ、自分でつけたの?」
「なにがだ?」
「これ、意外とぴったりしてるから付けるの難しいじゃん」
対面に座る楽の方に身を乗り出して、首元へ手を伸ばし中央の装飾を指で撫でながら問いかける
首輪みたいという言葉が大和の頭の中に残る。同じような装飾を付けた事があるから分かるのだ、意外に付ける事に苦戦することを。
基本大和は器用だから自分で装着しているがたまにメンバーに着けてもらった事もある。
その経験があるからこそ、楽の首に装着した誰かが要るのではないかと気になっていた。
「ああ、衣装さんが着けてくれたぞ。自分で付けようとしたら時間がかかってな」
「…ふーーん」
楽の返答に大和の声色が下がる。
撫でていた装飾を指で弾き、椅子から立ち上がり楽へと一歩距離を詰めた。
見下ろす大和に何事かと困惑し、声をかけようと口を開いた楽の言葉を大和が飲み込む。
唇を合わせ、舌を楽の口内に押し込む様に上から覆いかぶさった。
いきなりの口づけに戸惑うも、楽も舌を大和のものと絡ませ濃厚なキスを繰り返していた。
ピチャ、クチャといやらしい水音が静かな楽屋に響く
楽が大和の背中に置いた手をゆっくり降ろしていき、ズボンの隙間に指を差し込もうと動かした時、大和が覆いかぶさっていた体を離した。
「ぷはぁ、はぁ、…はぁ」
いきなり体を離された事に驚き目を見開く楽に大和はにやっと笑って手に持つものを掲げた
大和の右手には楽の付けていたはずのチョーカーが外され、ぶら下がっていた。
「は?なにしてんだ、大和」
「ふん、お前さんが首輪って言うから気に入らなくて」
先ほどまでの情熱なキスの余韻はなく、不機嫌な大和が冷たく言い放つ。
外したチョーカーを両手で持ち楽の正面に向き直し 「見てて」 と言葉を伝え、手元に持つチョーカーをゆっくりと楽の首にそわした。
頭を抱きかかえる様にチョーカーの繋ぐ金具を装着していく。
大和の雰囲気もあってか楽は言葉を放つことなくその一連の流れを見ていた。
カチャっと小さく金具の音がなり、一度開放された首元にまたチョーカーが装着された。
「八乙女の首輪、俺が付けたんだからな」
嬉しそうに笑う大和の目には妖艶な雰囲気が混じっていた。
楽の顔に手を添えて顔をまた近づけ、首元に舌を伸ばす。チョーカーの少し上にあるの楽の喉仏を舌でひと舐めした。
びくっと体を動かす楽の姿を嬉しそうにクスクス笑い、チュッと痕が残らない程度の力でキスを舐めた喉仏近くに落とした。
「俺が飼い主なんだから、よそ見すんなよ」
艶やかな声で耳に囁かれる
楽は体からこみ上げてくる熱を感じ、目の前の身体を抱き留めた。
散々挑発された大和の唇にキスをしようと顔を近づけるも、大和の掌で止められてしまう。
「だーめ。お前さんらの出番もうすぐだろ。そろそろ九条や十さん戻って来ちゃうでしょ」
「お前!!さんざん煽っておきながらそれは無いだろ!!」
「さぁ、何のこと?」
「くっそ、覚えてろよ。絶対今日抱くからな」
ギラギラとした視線で大和を見つめる楽に気分を良くした大和がまた煽るように言葉を投げかけた
「がんばったら、ちゃんとご褒美あげるから。行ってらっしゃい」
チョーカーの中央の装飾をまた指で弾き、チュッと頬にキスを落とした。
もう一度「絶対抱くから覚悟してろよな!」と大和に言い放つ。
コンコンとノックされ、帰ってきた2人と入れ替えに大和は自分の楽屋へと戻っていった。
楽屋へ戻る途中、掌で顔を覆い羞恥に耐えていた。何故あんな風に楽を煽ってしまったかわからないが、見知らぬ誰かが恋人に首輪をつけたという事に変なスイッチが入ってしまったのだ。
やらかしたという気持ちと、ギラギラと捕食者の目をした楽にこの後、どんな風に求められてしまうのか期待してしまう大和だった。