湯煙 ――何かまずかっただろうかと思い返すも、まずいことしかしていない気がする。
ギョンフンはサンウォンにねじ込まれた茶煙草をふかしながら、酒の酔いと余韻を味わう。
同性同士ならではの気安さなのか、家族のような親近感か、サンウォンはギョンフンが触れても避けない。
その理由が、医療従事者等に対してと同様にギョンフンを信頼してのことなら、自分はもう彼に触れるべきではない。
今夜は、恋ゆえのときめきだけではない穏やかな幸福感の方が勝っている。だからこそ、からかうような言い回しができたのだ。
魔除けや浄化の作業なら自分も邪な気持ちは無い。ただ、やり返されてしまうと、途端に期待に揺れてしまう自分に戸惑う。お互いそういう関係を望んでいるならまだしも、一方的に弄ぶようなかたちで自分の欲望を満たしたいだけではないかと自戒する。
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