我が愛しき祝福について(或いは永遠の呪いについて) 風のない、星がよく見える夜だった。オロルンはファデイの隊長と、その部下たちと共に焚き火を囲んでいた。作戦中の束の間の休息だ。オロルンは火から離れた所で、彼らの何気ない世間話を聞くとはなしに聞きながらぼんやりと座っていた。焚き火のパチパチと爆ぜる音が耳に心地良い。世界には、この音を録音して聴くことでリラクゼーション効果を求める人たちもいるらしい。
隊員たちの話題の中心であるスネージナヤのことも、流行の歌も、何もわからないオロルンは会話に入ることができない。だが決して排除されているというわけではなく、居心地は悪くない。さっきは炎水という、初めて飲む酒も分けてもらった。強いアルコールで少し火照った頭と身体にはむしろ、賑わいを外から眺めているくらいの方が丁度いい。
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