運命という言葉に、やはり信憑性はあるのだ。
神が引き合わせてくれたんだ。
彼と出会った時、そう思わずにはいられなかった。
それはさながら、恋愛映画のワンシーンのような美しい出会いだった。秋の日のことで、眩い夕日に照らされて私たちは出会った。
もし私たちが恋愛映画の登場人物だったなら、きっと恋に落ちていた。出会った瞬間に惹かれあって夢中になり、時にすれ違い時に衝突しながらも、どうしようもなく求めてしまう……私たちが恋愛映画の登場人物ならば、きっとそんな恋をしたに違いない。
だが私は髭を蓄えた若くない男だし、彼にしたって――私にとって彼はそれなりにいい男なのだが――世間一般的に見れば決して美青年と呼べるほどのルックスというわけでもない。そういう点では、私達は恋愛映画というよりアクション映画向きだ。
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