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    koshiann_0212

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    koshiann_0212

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    くく勘👻前のちょっとだけ直した。

    私立大川学園には変な噂があった。
    忍者の格好の変な髪をした幽霊が出る。と

    ここ大川学園は室町時代に忍術学園という忍者を育成する学園の跡地に建てられたらしい。
    なぜらしいのかというと理事長がずっと言ってる事であって当時の資料などが残っていなかった為に生徒の皆信じていないのである。

    話を戻すが幽霊はとてもツルツルしたうどんみたいな不思議な髪をしており着ている服も時代劇などでみる忍者みたいな格好のようだ。
    髪は長いし全体的に丸っこい顔をしているらしいが声が低いらしい。
    噂の幽霊は特に見たら呪われるなどこちらに危害を加えてくるタイプの霊ではなく何なら何か困っている事があると助けてくれるだとか。
    よく下級生達が出会い出来なかった宿題を教えて貰ったんだとか無くした物見つけてくれた等学園中でよく耳にする。



    何故こんな話をしているのかというと噂の幽霊が目の前にいるのだ。
    大川学園には今使っている校舎から少し離れた所に旧校舎がある。
    旧校舎は初等部が昔使っていたのだが新校舎が出来た時に使わなくなった。
    特に立ち入り禁止などではなく移動の事を考えると休み時間が減るので人があまり近寄らなくなってしまった。
    定期的に清掃もしてくれているので埃っぽいとかもなく昼休みや放課後用事がなく本を読みたい時などよくここには来ている。
    そして今日も昼食を静かに食べたい為弁当を持ち旧校舎に来た。
    三階まで上がり「五年い組」そう書かれたプレートは当時の初等部がい組ろ組は組と三クラスに別れていてそのまま残っている。
    ドアの取っ手に手を掛け扉を開けたら目の前に机と椅子があり誰も来ないことをいい事に数冊の本を置いているロッカー、偶に落書きをする黒板。
    ここまではいつも通りだったのだ。
    違ったのは目の前にいる人っぽい何か。
    明らかに少し透けていて忍者みたいな格好、不思議な長い髪、丸っこい顔噂の幽霊ではないだろうか?
    頭では危険な存在ではないと分かっていてもこの世のものでは無いものを見たら恐怖が襲ってきた。
    その拍子に手に持っていた弁当と水筒を落としてしまい幽霊がこちらを振り返って近づいて来る。
    足が竦み動けなくなって目の前の存在から目を逸らしたくて俯いた。
    前は見なくとも自分の前に彼が立っているのが気配で何となく分かる。
    「君見えてるでしょ」
    低い声でそう言われた。
    もうそろそろ夏だというのに冷や汗がとまらない。
    どのくらい時間が経ったか分からくなった時
    「酷いことしないから顔あげてよ」
    寂しそうな声でそんな事を言う彼に対して何故か顔をあげないといけない気がして顔をあげた。

    あんな声をしていたからどんな顔をしているのかと思うとものすごい変顔をしていた。
    「何かつっこんでくれ」
    彼の顔を見ていたらそう言われ咄嗟にごめんと答えた。
    「あのそれ拾わなくていいの?」
    そう下に指を指す方に目線を向けると持ってきていた弁当と水筒が落ちていた。
    「おれが拾ってあげれれば良かったんだけど見ての通り触れなくて」
    ひらっと透けている手を広げ眉を下げる彼。
    幽霊って物が触れないの本当だったんだなと思ったが口にせずありがとうとお礼をいい持ってきたものを拾った。
    もうこの時には恐怖という感情は消え去っていた。

    「おれは尾浜勘右衛門。見ての通り幽霊になっちゃった忍者のたまご」
    そう自己紹介してくれた彼は俺の向かいに座っている。
    弁当を拾った後盛大に腹が鳴り食べながら話す?と聞かれちらっと時計を見た所昼休みの時間が迫っていたのでありがたく食べさせて貰うことにした。
    食事中色々と話してくれたのだが彼と初めて会ったのだろうかと疑う程居心地が良かった。
    彼は暇な時にふらふらしているというから普段生徒が見られない様な先生達のこととか本当に昔ここに忍者の学園があった事、下級生達の宿題の事など色々な話を聞けて楽しかった。
    楽しい時間は過ぎるのがあっという間でもう残り15分程度で昼休みが終わる。
    教室に戻る事を考えるとそろそろここをでなければと片付けをしているところだ。
    そしてふと彼に対して疑問に思った事を口にした。
    「なんで尾浜くんは幽霊になっちゃったの」
    そう彼がここにいる理由だ。
    幽霊は大抵なにか未練がありその場所に留まっているイメージである。
    そしてこんな若くして亡くなったのはなぜなのか。
    忍者のたまごと言っていたがそれが関係あるのではないのだろうか。
    ひとつの事疑問が生まれると次から次へと気になってしまった。
    「あー、なんでなのかはおれにも分かってないんだ」
    「分かってないって?」
    「死んだ時の記憶が曖昧でさ」
    そう言った彼は少し困った様な顔をして笑っていた。
    「なにか思い当たる節とかもないのか?」
    「そうだな…多分あるとしたら大切だった人を置いてちゃったからだと思うんだ。」
    「大切だった人?」
    「そう、おれの恋人だった奴。お互い命の危険があることが分かってて恋仲になったんだ。でもさこうやって命を落として幽霊になってよっぽどあいつの事を忘れられないんだよ」
    未練たらたらだよなーとへらへらと言う彼。
    その態度にどこかイラつきを覚えてしまった。
    「別に未練があったって良くないか?それ程までにその恋人の事を想っていたんだろう?」
    「…そうだな」
    会話が終わると同時にチャイムが鳴った。
    次の授業移動教室だと焦りながら教室を後にしようとする。
    「また来てね」
    「ああ、また話を聞かせてくれ」
    ドアに手を掛けたとこで彼が聞いてきた。
    「そうだ、君の名前は?」
    「そういえば言ってなかったな。おれは久々知兵助」
    じゃあまたとろくに彼の顔も見ずに教室に戻って行ったのである。
    「あーあまさかとは思ってたけどこんな形で会うことになるとはな…」
    そう呟いてるのなんて耳に届かなかった。
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