ぼうれい 木から木へと飛び移り、森の中を追手から逃げ続ける。腹の傷から襲ってくる鈍い痛みと熱を無視して、ひたすら進む。カカシは、暗部の部隊の隊長として他里から密書を持ち帰る任務に従事していた。任務の危険度はそれほど高くなかったはずだが、予定通り密書を手に入れたところで、どこからか情報が漏れたのかカカシの部隊は襲撃を受けた。密書と仲間の命を優先するために、カカシは一人囮役を買って出た。敵の襲撃部隊を殲滅させたのがつい数刻前であり、さらなる追手を危惧して、森の中をただひたすらに前進する。
完全に日が暮れたころ今晩のうちは敵襲はないと判断したカカシはやっと足を止める。木々の間、野営に適した茂みに腰を落ち着けると、傷の処置に取り掛かる。幸い傷は浅く、今晩安静にしていれば翌朝には里に向けて問題なく出発できるだろうと判断し安堵したカカシは、一息ついて空を見上げる。
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