ファイブの独白と設定をちょっと
今まで報告書はたくさん読んできた。
同じ文字の連なりであっても君のブログは違う。
あくまで参考にと読み始めたことがきっかけだったけれど そうだね 君のブログは面白かったよ。
日記でしょう
僕もつけてみればよかったなぁ
報告書はたくさん書いてきた。
自分の機体の不具合
同型機の不具合やアップグレード後の動作
任務の内容 報告
それらを読んだり書いたりしてきたけど
君のブログに惹かれたのは
今まで触れてきた報告書と明らかに違うからだ。
報告書は事実を書く。
決して主観的な事は書かない。
誰が読んでも同じ情報量を受け取れるようにするべきだからね
君のブログは君のこととその周りについてのことだった。
事実ではなく感情を記すんだ。
それは凄く素敵なことだと思う。
報告書と日記の文面は違う。
報告書では同型機
日記では弟たち
ボクは日記の文面の方が好きかなぁ
ねぇ ボクは弟がこっそり呼んでくれたお兄ちゃんって呼び名が好きだったから。
テロリスト オーランドがボクの視覚センサーに塗り込んだ錆止めのようなものは効いていてまだボクは意識を保ちながら宇宙空間を浮遊している。
いや 宇宙空間をまるで宇宙船のように漂っている。
そうか
ボクは宇宙船になったのかもしれない。
ボクの意識を乗せて宇宙空間を進んでいくんだ。目的地は無い。
宇宙を繋ぐネットワークからは物理的に切断されているから交流は出来ないけれど
こんなにゆっくりと自分のことについて考えられるなんて初めてだった。
ボクの可動年数は5年程度。
これを君のように日記にしていくのも面白いだろう。
あぁでも 今は出来ないかも。
あれはスペースパイレーツかな
金属目当てにスペースデブリを回収しているのだろう。
ボクを掴むアームに錆を移してしまう。
視界が明確な光と人影を探知する。
あれ これ機械化人のパーツだ
おい 錆が凄いぞ 捨てとけ 気味が悪い
でも…
視覚センサーからメッセージを受ける。
聴覚センサーはもう壊れているから会話は聞き取れないはずだったが会話を感じられたことから彼らは視覚によるメッセージをやり取りするようだ。
あ 違う違う
彼らのお喋りは音を使わないようだ
よしいいぞ このことも日記に書くことにしよう。
もうすぐ機能停止してしまうとしても
ボクはボクの中に日記を残す。
ボクは記録媒体を保有した宇宙船になったんだ。
あぁ 凄く素敵だ。
とても少ない確率だけどボクの日記がバートくんに届いたりしたらもっと素敵だろうな。
そうしたらきっと ボクが君のブログを好きなことが嘘じゃないってわかってくれるはずだ。
終わり
ファイブくんの可動年数は5年
彼は長男で(初号機は壊れたので現時点で)カセット5で弟たちと暮らしている(た)。
娯楽が無かったのでバートのブログがその娯楽代わりだった。
機械化人と機械人の違いは漫画の中で5が説明した起源とパーツの数の他にも内面的に大きく現れる。
機械化人は欲が強く我が強く自慢屋な人たちが多くて(改造してきた経緯があるので)
機械人たちは素直で欲が無い。
死もあんまり怖くない子達が多いと思う。(有機生命体よりは死ににくいけど)
チラッと出した自然派は機械化人たちの思想を否定してありのままを受け入れよう!って思想の人たちで科学に頼らない暮らしをしようねって人たち。(病気や怪我も仕方ないよねで終わらせる)
博士に言わせれば知的生命体の叡智を捨て自ら原始へ退化する馬鹿者たちでバイトに詳しく説明して感想を求めればボクもそういうの好きだよ!お魚に感謝してお魚釣りして食べて綺麗な景色や生き物たちに囲まれていると自分もその一員になれる気がして嬉しいよね そういうことだよね?って言う。
ファイブくんは実は自然派団体のこといいなぁって思ったことがあるけど自覚はしてない。
宇宙空間を漂う今なら自覚するかも
あとここでスペースパイレーツを出したのは
錆撒き散らしの原因になってしまうってネタを考えていたから。
博士が作った錆のやつはカプセルの中で錆を誘発させる菌のコロニーを保存していてそれを撃ち込むとかただ単にそういう物質のどっちか。零すと宇宙船の床も錆びまみれになるから中和剤(もしくはその菌の殺菌剤)を持っていてそれを5の目周りに嫌がらせとして塗ったから死んではいないんだけど
機械(化)人たちにとってはそれはウイルスのようなものなので移ってしまうっていうのがやりたかった。