無機質な宇宙船は暗い宇宙空間を進む。
暗い宇宙空間と無機質な船内は金属で区切られている。
宇宙船は自動操縦モードにしており
私はただモニターを通して宇宙空間を見つめていた。
以前宇宙空間を自在に泳ぐ生命体を見た。
初めて見たときは
あ、
と声を漏らし慌てて宇宙船を停止させた。
生命体は素晴らしく巨大でまるで小惑星のようにそこにあった。
周りにはその小型の生命体も漂っていた。
宇宙船を停止させ 軌道を変えてその生命体を避けて再び発進させる。
だが スクリーンに映し出したあの姿は
私の偽りの網膜に焼き付いたのだ。
機械化思考が進む宇宙では
有機生命体の美しさは忘却され始めている。
だからと言って自然派団体のように知的生命体の叡智の全てを捨てるのは馬鹿らしいと思うが。
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