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    ayq_lll

    @ayq_lll

    登場人物の名前は♥♥、作品特有のワードは♡♡で表記しています

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    ayq_lll

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    前垢にてお作りさせて頂いたお話です

    サンプル⑤「お待たせ....♥♥!遅くなってごめんね...!」

    白い息を吐きながら愛しい彼が駆け寄って来る。バイトが終わってすぐ来てくれたようで帽子を被ったままだ。

    「やぁ、♥♥くん!僕もちょうど来たところさ。バイトお疲れ様」

    労いの言葉をかけつつ、頭に乗っている帽子を取ってあげる。

    「ふふ、どうやら僕の元へ来てくれたのはあわてんぼうのサンタクロースのようだね」

    「うそ...!?もしかしてぼく被ったままだった..??」

    やっぱり気づいていなかったようで、♥♥くんは帽子を見て寒い中走ってきて赤かった顔をさらに赤くしていた。

    「ごめん...。クリスマスが近いからって店長が張り切っちゃってて」

    「バイト大変そうだねぇ。この時期はどのお店も繁忙期だから店長さんも気合いを入れて頑張りたいんだろう」

    「そうなんだろうけどさ...人使いが荒すぎるよ...」

    ♥♥くんの頭に、ぺしょっと閉じた犬の耳が見え、愛しさが増す。

    「ふふ、まぁいいじゃないか。さぁさぁ、ここで話すのも構わないけれど、このままだと2人とも風邪を引いてしまうよ?僕の家に急ごうじゃないか」

    「そうだね、そろそろ行こうか。でもその前に」

    そう言うと、♥♥くんは自分の首元からマフラーをはずして、僕の首に巻いた。

    「♥♥こそ、今の格好のままじゃ風邪ひいちゃうよ...。ショーも控えてるんだし、もっと着込まなきゃ...」

    至近距離で巻かれて次第に僕の顔も赤くなっていくのを感じる。

    「よし。これで温かいよ。じゃあ、行こ...?」

    サンタの帽子の時より顔を真っ赤にして僕の手を引こうとする♥♥くん。あぁ....本当にたまらなく大好きだ。

    「.....うん、♥♥くん。帰ろっか」

    そう言って2人で歩き始めた____。



    2人で会話を交わしながら帰り道を歩く。
    街並みはクリスマス1色になっている。毎年一緒に過ごしているクリスマスも、今年は僕の方に予定が入ってしまったからパーティーは中止になってしまった。

    「そういえば、♥♥くん。今年はクリスマス一緒にいれずにごめんね」

    「ううん、大丈夫....!♥♥達のショー楽しみにしてるね」

    「もちろん!精一杯頑張るから当日は楽しみにしてくれたまえ」

    ♥♥くんに笑いかけながら、来てくれる人達のクリスマスプレゼントになるように気を引き締めなければ。

    「うん...!ぼくも♥♥に負けないようにバイト頑張らないと」

    「うんうん。年末ももうすぐだしお互い頑張ろうじゃないか」

    そうして雑談は続き、僕の家に着く。

    「さて、もう遅い時間だけれど、最近新しい紅茶のフレーバーを仕入れたんだ。うちで飲んで行くかい?」

    「え、いいの!?飲む飲む!」

    キラキラと目を輝かせて笑う愛しい人を家に招き入れ、今日も僕たちの夜は更けていった。

    〜〜~~~〜〜~~~〜〜~~~〜〜~~~〜

    「♥♥...!!ショーお疲れ様!めちゃくちゃ楽しかったよ!」

    ♥♥くんが興奮冷めやらぬ様子でここの演出が〜と話している。

    「ふふ、喜んでもらえて何よりだよ。♥♥くんも呼び込みやランタン作りを手伝ってくれて本当にありがとう」

    「ううん、ぼくはちょっとしか手伝ってないよ...。でも♥♥の力に少しでも慣れたなら嬉しいな。それにお昼の雪合戦の時に聞いた、小さい頃の♥♥もすごく可愛かったし役得だったよ」

    くふくふと笑いながら小さい頃の僕に思いを馳せるけいくん。考えてることは僕に変わりないのに少しムッとしてしまう。僕はここにいるのに。

    「....今の僕だって十分可愛いだろう...?」

    「それはもちろん。でも好きな子の小さい頃の話って何時聞いても可愛いものじゃない?」

    「うん...。でも、普段はすぐ可愛いなんて言わないじゃないか」

    言うはずもなかった本音がぽろりと出てしまった。自分が失言をしてしまったことに気づいてハッとする。♥♥くんもびっくりした顔をしていた。

    「すまない♥♥くん。今の言葉忘れて貰ってもいいかい..?」

    けいくんは無言で僕の前に移動して向かい合い、僕の両手を握る。そして、

    「.....♥♥は今も十分可愛いよ」

    とにこやかに言ってくれた。その言葉に今度は僕がびっくりする。

    「いつも言えなくてごめんね....。でも♥♥が可愛いっていつも思ってる。♥♥が思ってる以上に可愛いんだよ。ショーをする時の楽しそうな顔も、仲間のためならってなんだって頑張るところも全部全部大好き」

    「っ!?ちょ、ちょっと待って♥♥くん」

    「んふ。♥♥顔真っ赤だよ。可愛い」

    「〜っ!かわいくないよ....」

    自分でも顔が赤いのが分かる。思わず俯いていると、♥♥くんが1歩前に進む。思わず目を見開くと、チュッとリップ音がなり、♥♥くんの影と僕の影が重なる。

    「......♥♥くんのばか」

    「あわ....流石にやりすぎ....?」

    さっきまでの威勢は何処へ行ったのか、慌て始めるけいくんを他所に僕は蹲る。

    「いきなりかっこよくなっちゃうのなんなんだい....。ほんっと敵わないなぁ」

    僕が蹲るのに合わせて♥♥くんも、しゃがみゴソゴソと鞄を漁る。

    「えへ....。ちゃんといつも可愛いって言えるように頑張るね....。あと....これ、気に入るといいんだけど....」

    そう言って、綺麗にラッピングされたプレゼントをくれた。

    「これは...?」

    「クリスマスプレゼントだよ。あわてんぼうでも好きな子のプレゼントは忘れないから...!」

    「ありがとう。開けても?」

    「いいよ」

    中を開けてみると、ブレスレットが入っていた。

    「これ、ぼくと色違いなんだ。あんまり派手な色じゃないから普段使いしやすいかなって...」

    ほらとけいくんが袖をめくり、色違いのブレスレットを見れてくれる。

    「どうかな....?」

    「ふふ、すごく嬉しいよ。大切にさせて貰うね。それと僕からのプレゼントはゲレンデに戻ってからでいいかい?」

    「うん...!全然いいよ。よし、それじゃあみんなの所に帰ろっか」

    2人で白い息を吐きながらゲレンデへ向かう。けいくんがどんな反応をするのか楽しみだ。来年も、その次の年もこうやって過ごせることを願って雪道を1歩踏みしめた。
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