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    pypy_ym

    @pypy_ym

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    pypy_ym

    MOURNING多分完成させない性癖のやつ
    ユキモモ
    「ただいま」
     久方ぶりの外出だった。
     普段はメールや通話アプリを通してのやり取りで仕事を進める千斗だが、今回の仕事は前々から千斗が尊敬しているアーティスト直々の依頼ということで、いつもは面倒極まりない会議にも積極的に顔を出した。向こう側も千斗を気に入ってくれ、音楽の話でもどうだ、と食事に誘われたのが今日のこと。同居人には遅くなる、と連絡を入れ、酒も食事も放って音楽の話に花を咲かせた。
     帰宅した千斗を冷たい部屋が迎え入れる。
     時計が日付変更線を跨ごうとしているこの時間、一般的な会社員である同居人が帰宅していないとは考えにくく、また、彼の性格上、このくらいの時間ならば起きて千斗の帰りを待っているだろうに、存在するのは暗く冷ややかな部屋。千斗は大股で部屋に入り、同居人の彼を探す。
     彼はリビングのソファに横になっていた。
     常は明るく朗らかな表情はすとんと抜け落ち、瞬きを繰り替えす瞳には生気が見られない。帰宅したその足で倒れ込んだのか、彼はスーツ姿のままだった。
    「モモ」
     屈み込み、彼の視線の上に自分の姿を置いて名前を呼ぶ。瞳がくるりと動いた。モモーー百瀬は手を重たげに上げる。その 1735

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    MOURNING夫婦漫才のはじまりについて考えてみたやつ。「前から聞きたかったんだけど、君たちのあの路線、どうやって決まったんだ?」
     心の底から疑問だといわんばかりの万理の声が、千と百の鼓膜を刺激する。あの路線、というとまあ間違いなく夫婦漫才ネタのことだろう。万理とやっていた時の千は間違ってもあんなネタに乗る人間ではなかった。それが百と組みはじめて、イケメンだとかダーリンだとか呼ばれて微笑むようになっている。
     千は意地悪くにやにや笑って万理を見据える。
    「万、僕たちが出てるテレビは全部見てたって豪語してなかったっけ?」
    「気付けばああなってたろ。裏話を聞きたいんだよ」
    「へぇ」
     ちらりと百に視線をやった千は、「あれって結局どっちなの?」と百に確認を取るような言葉を発し、百はうーん、と腕を組んで悩みはじめた。
    「原因はオレで、発破をかけたのがおかりん、って感じ? 最終的にゴーサインだしたのもおかりんだったじゃん。ユキが嫌ならやめるつもりだったけど、ユキは乗ってきたし」
    「僕とモモとおかりんの総意だよね」
     おかりん、Re:valeのマネージャーである岡崎凛人の名前が出て万理は目を瞬かせる。小鳥遊事務所のIDOLiSH7のマネージャー、小鳥 3088

    pypy_ym

    MOURNINGユキモモの見た目をこれでもかと描写したかったアイドルにとって見目というのも才能の一種である。
     生まれ持った容姿や体格、そういった努力ではどうしようもないものがオーディションやスカウトで重視され、どれだけ手を伸ばしてもアイドルという夢を掴めない人間はごまんと居るのだ。
     そういった点で、目の前で優雅にワインを口にする千という男は才能に恵まれている。
     メンバーの天から、見た目で得をしていると言われる楽をもってしても、彼が持つ天性の美貌には敵わないだろう。
     切れ長の目に宿ったブルートパーズの瞳は存外に表情豊かで、歌唱、ダンス、演技において華を持たせる役割をしている。左目の下にある泣きぼくろは彼の端麗な顔立ちに色気を添え、高い鼻も、薄い唇も、黄金比としか表現できない配置で千の顔を作っていた。
     しかし、一度口を開けば笑いのツボは浅くて妙な場所にあるし、言動はやや社会性と協調性に欠ける。同じ空気を共有している大和が哀れな犠牲者になる場面を、楽は何度も見てきた。
     立ち上がればモデルのような姿勢の良さと、美貌や長髪に隠れて分かりづらい男らしい体格。外国人さながらの長い脚。しかし、千がその容姿を褒められて喜ぶのはたった一人に限定されてい 2504