メジャーヒーローを招集した会議が終わり、息を吐き大きく伸びをする。少しくたびれた。そのまま背もたれに体重を預ければ、席を立ち、ちょうどこちらを向いたブラッドと目が合った。
「 」
名前を呼ばれ、姿勢を戻す。
「どうした? ブラッド」
「先ほどの会議の内容で、あなたの担当セクターと調整をしたいことがある。少し良いだろうか」
タワー内で出会えば挨拶や軽く世間話をすることはあれど、入所以来配属セクターの異なる彼とまともに会話をするのは、彼がルーキーの頃――共に特別任務に就いたときぶりではないだろうか。そんなことを考えながら、端末を片手にこちらへと歩み寄る彼と視線の高さを合わせるため、私も腰を上げた。
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