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    止黒 墨

    @sikurosumi
    悪趣味系

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    止黒 墨

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    原稿のやつ、かきかけ
    プッチ+ディオジョナ

    8 
     クロックムッシュ、クロックマダム、違いは大して興味がはないが名前の響きがとても好きだった。一切の関係のない事だが。
     ベッドルームから1階へと降りキッチンへと向かうが、すでに食事の準備はできていると執事の男から声をかけられ、ヴァニラと共に朝食の間へと連れられた。朝のこの館に人は少なく、一人増えたところで彼には何の問題もない。住み込みで働く者達の起床時間に合わせるのは、この館で冷めていない朝食を食べるためにはとても重要なことで、早く起きた時には手伝うこともある。昨日は旅路で疲れていたのだろう。いつもより遅い目覚めだったようだ。朝食を食べ終えたヴァニラを目で追う。彼のことは好きだ。僕も食べ終わり、食器を返すと礼拝堂へと向かう。ヌケサク、ケニーG、それともう一人、初めて見る少年はまだ食事中のようだ。
     このネクロポストで自身を保ち続けることは意外と簡単で、特に日が昇っている瞬間、僕が油断するのは容易いことだった。礼拝室は2階にある。ここが使われることは滅多に無く。執事が掃除する以外には全く開かれない扉。その向こうに彼はいた。
     ジョナサン・ジョースター。僕は彼があまり好きでは無かった。善い者だとは思うが、好きでは無かった。ブルネットの髪が僕を振り向く。彼は僕を目にして少し悲しげに笑った。

    (ジョナサンの挿絵)

     何度目かの出会いだった。
     来てしまったんだね、と彼はつぶやいた。


    (挿絵)



    1011 2日目 夜

    10
     礼拝室はケニーGにより、室とは名ばかりの礼拝堂の形式を持ち、一応掃除されているが、僕がここに来るときまずは掃除を行っていた。執事もそれがわかっているのだろうし正直申し訳なく思う。物が盗まれていないかの確認をして掃除を終える。手伝いたいと言うジョナサンに僕の身長では届かない場所をお願いしていたのでいつもよりずっと早く終わった。
     部屋の中は幻の光でいつだって美しく照らされて見える。だが、本物の窓は閉ざされていて、エネルギーを持った光は蝋燭に火を灯す時にしか存在しない。ジョナサンに伝えてからバルコニーへと向かう。
     まだ陽が落ちていない。ここから観る景色が好きで、ここに来る度にエジプトに来たのだと実感する。いつの間にか育った家よりもここに精神が馴染んでしまっている。少しぼうっとしていると頭上からペット・ショップの鳴き声が聞こえる。僕は少し手を振り。礼拝堂へと戻る。
     DIOがいた。無風の空間に扉からの風が吹き込み彼の髪を揺らす。僕は一瞬見惚れた後、慌てて扉を閉める。ジョナサンを迎えに来たらしい。ジョナサンは不服そうな顔をしながらDIOについて行く。彼はDIOに逆らえない。僕はまた、バルコニーに戻り街並みを眺め続けた。

    (バルコニーか雲の挿絵)

     陽が落ちて彼の元へ向かう。僕がいる時、彼は夜の時間を僕に空けてくれる筈だ。彼らが何かを行なっていようとも僕には大して関係のない事である。そう、それが血に濡れていても、又は睦言であっても。
     体を洗い、地下でヴァニラにワインを貰ってからDIOのベッドルームへと進む。張り詰めた空気を感じる。錆色の扉をノックしてから開くと、想像通り部屋は惨状であった。血が辺り一面に飛び交っている。いつも通りだ。DIOの逆らうの中に彼自身を害す行為は含まれていないらしく、そしてジョナサンは僕の前ではDIOを殺そうとはしない。そこに何かDIOの手回しを感じながら、僕はジョナサンにのしかかるDIOの近くの椅子に座った。
     夜は長い。

    11 挿絵
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