イスⅡ「廊下では蜜月が」
カルデアの消灯時間も迫っている夜の廊下で、
カッカッカッと苛立たしげに革靴を鳴らす男と
ペタペタとのほほんとした様子でサンダルを鳴らす男が歩いていた。
Ⅱ世とイスカンダルである。
「何を怒っている?」
「怒ってない。その、私達は最近一緒にいすぎじゃないか?あまりにも距離を詰めすぎだ」
そういう仲になってから1ヶ月以上が過ぎただろうか。ところかまわず発情...したりはしなかったが、なんとなく人目を盗んで手に触れたり、ハグをしたり..そういうことが増えた。気がする。
いや、いくらなんでも弛んでいる!とⅡ世は我にかえってきた時期であった。
「なるほど。こういうことか?」
イスカンダルは楽しげにⅡ世の手をとり、腰を抱くとダンスを踊るかのように唇を奪った。
2004