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    koimari

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    ヘジェ。安直な出られない部屋3Pの書きかけ

     寝具の中はいつもより暖かく、寝返りを打つとさらりとした肌触りの心地よい生地が肌に触れた。瞼越しにも明るさを感じ、ジェハンはゆっくりと目を開ける。目の前には端正な顔立ちの若い男が一人、ジェハンと寝具を同じくしていた。ぐっすりと寝入っているようで規則正しく揺れる肩は肌がむき出しになっている。ジェハンもだ。50年近く生きてきて、裸で寝るような癖はなかったはずだが、確認するまでもなく下着の一枚も身につけていない。目の前の男もだろうか。酔って同衾したのか、事態を確認するために目の前の男を起こすべきだと思う一方で、あまりにも健康的にすやすやと寝ているものだから、何故だか無理やり起こすことは躊躇われた。一向に思い出せない昨夜の出来事を手繰るジェハンに、背後から声がかかった。
    「イ刑事、困りましたね」
     耳元で囁く声は、彼もまた寝起きなのか少し掠れていた。ジェハンのよく知る声が、無線を介さず直接鼓膜に響く。
    「……パク警部補?」
     慌てて振り向くと、先程まで目の前にあったのと寸分違わず同じ顔がある。ジェハンの顔を見て、パク・ヘヨンはアルカイックに唇の端を吊り上げた。嫌味にも胡散臭くも取れそうなものだが、無線を通して知ったパク・ヘヨン警部補を思うと、なんだかしっくりくるものがあった。ヘヨンが上体を起こすと、存外鍛え上げられた肉体がさらされる。30歳前だろうか、隆起した筋肉と艶やかな肌が、はつらつとした若さを感じさせた。パク・ソヌの家族を調査した際の記録によると、ソヌの兄弟は一人だけで、ヘヨンは双子ではなかったはずだが。無線で未来の人間と話す不思議な出来事が起きるのであれば、同じ人物が二人目の前にいることもあるのかもしれない。同じ布団に、裸で?そんなことありえるのか?
     混乱し始めたジェハンをよそに、ヘヨンは悠長に「イ刑事、あれ何だと思います?」などと首を傾げた。その指を辿った先には、『セックスしないと出られない部屋』と異様に達筆な文字ででかでかと記されていた。
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