Character Episodeリンゼ・ミルア
31歳男性ウサギ族。ミルア家三男坊。
妖精の国出身のウサギ族だが、真摯な信徒()ということで神の国で神父をしている。神聖力もそこそこ。
好きなモノは弟と妹、そして酒と金と宝石。
よく法外な値段を要求しながら神の国へと入国させてくれたりする。生臭坊主。
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「-----して、神獣様のお導きがあらんことを」
神々しさすら感じる優し気な微笑みに教会に来た者達は魅了される。
子どもの頭を優しく撫で、怪我をしている者には無償で施す。
そんな理想的な神父様。
「………ぅえぇうっぷ…気持ち悪、昨日飲み過ぎたわ…」
光あれば闇がある。これは彼の持論である。
「はぁぁぁぁ、神聖力が自分には使えないとかマジ使えねぇよな。いや、位が上がれば使えるらしいけどよぉ…。……で?今回は何名サマ?俺ぁ今具合悪いからさぁ、明日でもいい?」
「ふざけるな!何時間待たせるつもりだ!!」
ガラの悪い大男が数名、神の国の資源を狙って来たものの警備が厳重で入る事も叶わなかった者達だ。
苛立ったように神父に向かって怒鳴り声を上げ脅すようにテーブルを殴る。
「俺たちはここに来れば入国させれる奴がいるって聞いてきたんだよ!さっさとしろ!」
そんな脅しもなんのその、やれやれと言わんばかりにゆったりと座ったリンゼはおもむろに手帳をだした
「1、2…5名様ね。はいはい、じゃあここにサインしてー。あと対価はこれね。分割はできないよ。ニコニコ一括払いでよろしくー。」
「…はぁ!?おま、こんな払えるわけねぇだろ!ふざけてんのか!?!?」
そこに記された法外な値段に男は唾を飛ばす勢いで怒鳴り散らす。
大男達がもう力づくで…と殺気だってきたところでリンゼはドンっとテーブルに長い足を乗せ不遜に言い放った。
「ふざけてんのはお前達だよ。不法入国が安いわきゃねぇだろ?舐めてんのか??払えねぇってんなら帰りな。こっちも暇じゃないんでね……」
そう言って彼が指を鳴らすとどこからともなく武装した男達が現れてあっという間に取り囲んだ。
「なっ…!?」
「…お客さんのお帰りだぁ。“丁重に”送ってやんな」
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「神父様ー!」
「…おやおや、そんなに走っては転びますよ。」
駆け寄ってきた子どもを抱き上げ優しく微笑むウサギの神父。
はたして彼の本当の顔はどちらなのか。
それは神のみぞ知る。