女体化したおれに嫉妬しています「こんな拗らせたままアイツの側にいるの嫌だし、もう猫になりたい」
実の兄、カラ松への気持ちを拗らせきって疲れたおれは、そう考えてデカパンの薬に頼ろうとした。でもそれは浅はか過ぎた。今となってはあの時の自分を叱りとばしてやりたい。
……けれど、もう後の祭りだ。
◇ ◇ ◇
「猫になる薬はないダス」
デカパン博士にはアッサリそう言われたけど、
「でも丁度いいところに来たダス!」
と、流れるように新しい美女薬の治験バイトを頼まれた。おれは常に金欠のニートだから、謝礼が出ると聞いてアッサリそれを引き受けてしまった。
名前のとおり、まるで魔法のように老若男女問わずこの薬を飲めば美女になれる。服装もデフォルトの一種類だけだけど、勝手にそれらしい服にチェンジされる。
以前おれたち六つ子はイヤミとチビ太がこの美女薬で変身した姿にすっかり惚れ込んで騙された苦い思い出があるけれど、あの時は薬に耐性ができると効きが悪くなり、最後は数分で変身が解除されてしまっていた。
「今回の薬は一粒でキッチリ一時間の変身ができるから便利なんダス! 効き目が急に減ることも無いはずダス」
とのこと。それならまあ、別に問題はなさそうだ。場所と時間にさえ気をつければ。
……だけど、さすがにこうなるとは予想できなかった。
◇ ◇ ◇
「こんにちは〜、もしかして道に迷ってる?」
聞き覚えのある声に振り向くと、さらに話しかけられる。
「あれ〜? きみ可愛いね〜! このあたりで君みたいな可愛い子、初めて見たんだけど」
「えっ、あっ……」
って! トド松じゃねーか!
……そう叫びそうなのをガマンして、くるりと逆方向に逃げようとしたおれの行く手を阻んだ末の弟は、めげずに話しかけてくる。
「キョロキョロしてたけど、このあたり初めて? 引っ越してきたの? よかったら道案内しよっか? あ、ボクは松野トド松。大学生。よろしくね〜!」
「えっ、あっ、その……そうじゃなくて……」
何て言い訳しよう? キョロキョロしてたのは、知り合いがいたらヤバイと思ってたからなんだけど。よりによって弟と鉢合わせるなんて。
「その服、可愛いけど肩出てんのは寒くない? 良かったらマフラー貸そっか?」
凄い笑顔。ドライな面なんか全く出してこねーし。コイツ……。女が相手だと本当に愛想がいいな。大学生とか嘘ついてるけど。
薬を飲んだおれは男だったときの面影が全く無いらしい。ツインテール黒髪前髪パッツンの美女……いや、幼い顔立ちだから美少女? になった姿は、弟から見てもちゃんと可愛く見えているようだ。
季節は冬。確かに紫と白のストライプ模様の肩出しワンピースは少し寒い。そして、靴がつらい。女の子っていつもこんなヒールのある靴で歩いて大変なんじゃないの。足首のストラップの後ろがギシギシと食い込むように痛い。
「あっ……あの、急いでるんで……」
一歩踏み出したところで声が出た。
「痛っ」
「ああ、靴ずれしちゃったの?」
すぐ気がつくところが凄いよな。なんでモテねぇんだコイツ? ああ、自己紹介で嘘つくからか。あと、ニートだから。納得。
「ん〜、今は絆創膏ないな〜。あ、そうだ! ボクの家、すぐ近くなんだ。少し休んでいきなよ、ねっ。バカな兄が何人かいるけど、そいつらは無視していいから!」
誰がバカな兄だよ。ああ、おれですね、わかります。
なんやかんやと引き止められ続け、うまく断ることもできず、おれは美少女姿のまま実家にお持ち帰りされてしまったのだった。まさか、弟にナンパされるとは。
せっかく外に出て薬の効果を試そうとしていたのに、家に戻ってきてしまった。居間でトッティに手渡された絆創膏を足首の後ろに貼り付けていると、緊張顔のチョロ松にお茶を出される。
「お、お茶っ、ど、どうぞ……!」
「ど、どうも……」
おれが軽くお礼を言うと、チョロ松は頭から湯気を出して真っ赤になって動きを止めてしまった。これだから童貞は……おれもだけど。
「ほんと、かわいいねぇ〜! ねぇ、名前は? 俺、松野おそ松! 長男で〜す」
おそ松兄さんはおれの横を陣取って、ニヤニヤと話しかけてくる。知ってるっつうの、と思いつつも、怪しまれないように受け答えしなきゃ、と思ったら緊張してしまった。
「えっ、あっ、おれ……いや、私は……いちま……」
「いちま?」
「……いやっ、違……いちな! そう、一奈ですっ!」
「いちなちゃんかぁ〜! か〜わいいねぇ。ゆっくりしていきなよぉ」
デレデレしてやがるけど、実際に女の子に言い寄られたら一番ポンコツになるのもこの長男だ。わざとこっちから馴れ馴れしく接してからかってやろうか?
そう思ったところに、他の兄弟がズイッと身を寄せてきた。
「おい、おそ松。一奈ちゃんが嫌がっているだろう?」
か、カラ松っ……! ち、近い。普通にカッコイイ。革ジャン似合ってる。あれ、今朝は確かいつもの青いパーカーだったよな。わざわざ女の子が来たからって着替えてきたんだ? 寒いからか、今日はホットパンツとかでもない。カッコイイ。普通にカッコイイ
ああ、今おれは一松じゃなくて女の子なんだから、別にカラ松に寄ってこられてもウザいって言いながら殴ったり、猫にサングラスを割らせたり、石臼で殺したりしなくてもいいんだ。そっか……マジか〜
安心してカラ松をボーッと見つめていると、視線に気付いたカラ松はクソ顔になって喋り始めた。
「オレは松野家次男、松野カラ松。そんなに見つめて、どうしたんだい? オレのことがそんなに気になるのか〜い?」
へいへい、知ってるよ。常に気になってるよ。これ、本人はキメ顔のつもりなんだよな。それじゃモテるものもモテねぇわ。
「一奈ちゃん……あれ? 君はどことなく、オレの弟に似ているな?」
「は? 誰に似てるって?」
「ああ、今はここにいないが、アンニュイな表情の一松っていう弟がいるんだ。オレに構ってほしくて、すぐイタズラを仕掛けてくるんだぜ。可愛いやつさ」
「は? おれは可愛くなんか……じゃなかった。へぇ〜、そ、そうなんですかぁ〜(棒)」
「フフン、一松はオレのことが大好きな、自慢の弟さ。今度君にも紹介しよう」
「いや? 結構ですけど! マジで何言ってんの」
知り合った女の子に弟を紹介したがるか? それに、可愛いとか自慢だとか……誰がお前のことなんか好きだってぇ? はああああ???? 大好きですけどぉぉぉ!!!!
「なあ、よかったらこれから一緒にランデブーと洒落こまないか?」
うわっ、カラ松の顔が近すぎる! ドキドキするっ……でも今は女の子なんだから拒否する必要もなくて、このまま本当にデートしたりなんか……
「ドゥーン!!! ぼく、松野十四松! よろしくね!」
カラ松に口説かれそうになって心臓がバクバクしていたところに、一つ下の弟、十四松が割り込んできて、カラ松は部屋の反対側にふっ飛ばされて行ってしまった。
「失礼しまぁ〜っす」
クンクンとおれのツインテールの匂いを嗅いだ十四松は、
「あれぇ? いちなちゃん……君、もしかして、うちの一松兄さんと、何か関係があるんじゃない?」
と、真相に近いところを突いてくる。光の無い黒目で穴が開くほど見つめられ、つい本当の事を自白しそうになってしまう。
いやいや、ここでバレるわけには……。言うなら他の兄弟がいないときに、十四松にだけ伝えたいし。
「えっ あっ、あのぉ……」
「じ〜っ……」
十四松の目、怖っ! めちゃめちゃ見られてるゥ……
「ああああ〜ッ」
追い詰められたおれは、大声を出して誤魔化した。
「カラ松さんが大変なことになっておりますわ〜!」
実際に、見事に障子に頭から突っ込んでしまったカラ松は、尻と足だけをバタバタさせながら、ブラザー 助けてくれぇ! と叫んでいる。誰も取り合わず笑っているけど。
「ホラ! 大変ですわ〜! 助けてあげたほうがいいんじゃねぇですかしらぁ〜?」
「一奈ちゃん、日本語が急に不自由になってるよ、どした?」
さすがにトッティにツッコまれた。女の子らしく可愛く喋らなきゃと思ったらお嬢様喋りになり、しかもそれも失敗してしまった。恥ずかしい。不慣れなことはするもんじゃねぇな。また普通の喋り方に戻そう。
時間も心配だし、そろそろ退散して、変身解除後にまた戻ることにしようかな。
「あっ、えっと、そろそろ帰らなきゃ!」
「ええ〜っ? もう帰るのぉ? もうちょっとだけいいじゃあ〜ん。ねっ?」
長男てめぇ。そのノリで先っぽだけ、とか言ってセックスするやつだろ。
カラ松はどうなったかな、と目線をやると、何事もなかったかのように自分で障子から抜け出して、ポーズを決めてかっこつけながら、おれのことを見つめていた。
「フッ……帰るのかい一奈ちゃん。それなら、オレに送らせてくれないか?」
カラ松に手を握られて、優しく微笑みかけられる。
「……」
「震えているじゃあないか…フ、緊張しているのかい?」
「て、手を……握られているから、緊張して……」
「フッ、大丈夫さ。こう見えて、オレもみんなも紳士だからな! 何も心配しなくていい」
「……紳士ではなくない?」
「良かったら、二人きりで話さないか?」
「あ? カラ松何抜け駆けしてんだよ!」
「断りなよ、一奈ちゃん」
「ぼ、僕が、送っていきましょうか」
「だから、ぬけがけ禁止だってば」
ああ、女のコだったら……こんな目で見てもらえるんだ……。
「あの……カラ松、さんに……送ってもらいたいです」
「「「「エ〜ッ」」」」
「フッ……女神に選ばれし……オレ」
◇ ◇ ◇
美少女姿のままカラ松に公園まで送ってもらって、そこで別れた。程なくして変身が解けたおれは、あんなに嬉しくて楽しかったのに、なんだか虚しくなる。
所詮、おれはおれでしかない。カラ松が好きになるのは、華奢な可愛い女の子。おれじゃない、アイツは一奈が好きなんだ。
寒いだろう、とカラ松に貸してもらった革ジャンを持って帰宅すると、さっそくカラ松に声をかけられる。
「遅かったな一松。キャットたちとたくさん遊べたのか?」
「うるさい。ん……これ、お前に返すって。知らない女の子から預かった」
「ええっ、一奈ちゃんに会ったのか 公園のあたりか? それとも、他の場所で? 一奈ちゃんにまた会いたいんだが、住んでいるところまでは教えてくれなかったんだ……どうしたらまた会えるのか……」
「あのっ、それなんだけど……お前とまた会いたいって、言ってたよ」
うわ、おれ、何言ってんだ。また虚しくなるだけなのに?
「ほ、ほんとかブラザー ど、どうすれば会えるんだ?」
「あ、明日の昼に公園に来てくれって……い、言ってた」
「あああ、最高だぜいちまぁぁつ ありがとうな! 恩に着るぜぇ〜」
「ヘッ……浮かれやがって」
「そりゃあ浮かれるさぁ、何かお礼をさせてくれっ!」
「は? いいよ……そんなの。デートに金だってかかるだろ」
「ハッ、そうか、しまった……おそ松に金を返してもらわないとな」
二階に上がっていったカラ松とおそ松兄さんのドタバタが下まで聞こえてきて笑ってしまう。ああ、明日はカラ松とデートか……デート? おれが? いや、一奈ちゃんがデートだ。おれじゃない。
浮かれるカラ松を不審に思った兄弟たちに一奈ちゃんとデートなんだよ、とおれがバラしてやった。それでも最終的には邪魔するんじゃなくてまた仲良くなって松野家に遊びに来てもらおう、という話になってしまった。
え、またおれ、一奈ちゃんの状態でこいつらの相手すんの? それは、ヤダなぁ……。
◇ ◇ ◇
デート当日。時間制限もあるのでギリギリで登場したおれだけど、カラ松は三時間も前に家を出ていったし、おれも公園の遊具に隠れてそれを見守って、ギリギリになって薬を飲んでカラ松に声をかけた。
「カラ松……さん、お待たせ」
「一奈ちゃん〜 今日も可愛いな。まるで絵画から抜け出てきたかのような可憐さだぜ」
「そんな……」
まあ、この見た目は偽りなんですけどね。
「しかし今日もその服装か、寒そうだな。とりあえずこれをどうぞ」
「あっ、ありがとう……」
カラ松にまた革ジャンを借りてしまった。嬉しい……。
「そうだ、デートで特に行きたい場所が決まってないなら、何か羽織るものを買いにいこうか?」
「えっ、でもおれ……じゃなかった、私、実はあまり手持ちがなくて」
「フッ……そこは出させてくれ」
えええ〜? お前、新しい革ジャン買うから金貯めるって言ってただろ。まあ、ストールぐらいなら大丈夫かな。
愛しい人を見る目。ずっと繋いでいる手。今日はあらかじめ絆創膏貼ってきたけど、靴ずれの心配もしてくれるし、小まめに休もうか? って聞いてくれて、可愛いパンケーキで有名な喫茶店で休憩したりして。
カラ松、本当に最高すぎるんだけど。
「お、お金っ、また出してもらっちゃって……大丈夫?」
「フッ、一奈ちゃんに貢げるなら仕事を始めたっていいぜ」
「アホかぁ ニートだってこと自分からバラしてどーする」
「えっ、ああっ! フッ。言ってなかったが……実はそうなんだ、オレは自由に生きる男だからな」
「キリッ、じゃねぇんだよなぁ」
「フフッ、喋り方が砕けてきたら、ますますオレの弟の一松に似ているな。会ったんだろう? オレに似たクールガイだったろう? アイツ本当に可愛いやつなんだよ、この前も……」
「って、好きな女にわざわざデートで弟の話なんかすんなって、おかしいだろ。お前のこと話せよ」
「確かにそうだな……うーん。オレのこと、かあ。まあ……音楽を愛し、美を愛し、平和を愛する男、さ」
「仕事せずにニートしてるから話題が兄弟のことしかねぇんだな、了解」
「フーン、その言い方も一松っぽいな!」
「だから! 一松から離れろっての」
「なんだろう……こんなことを言うと失礼だとは思うんだが、一奈ちゃんといると一松の影がチラつくというか……」
「なんでぇ」
「……なんでだろうな」
カラ松は困ったような顔をして笑った。
それからは、何だか少しカラ松に距離を置かれた気がする。すぐそばにいるけれど、手を繋いでくれなくなった。まあ、いいんだけど……なんだか寂しい。
トイレに行くと言って変身解除ギリギリで薬を飲み、喫茶店を出てファッションビルに向かう。いや、こんなとこ高いだろ。ウニクロとかにしとけって。
「ほら、これなんか似合ってるんじゃないか?」
結局ファッションビルの中で黒地に紫と青の花模様が入ったストールを買ってもらった。フリンジも紫で可愛らしい。
「凄く嬉しい……ありがとう、カラ松……さん」
「どういたしまして。さあ、そろそろ帰ろうか」
「えっ……まだ時間、あるけど……」
「それなら、またオレたちのホームに来てくれないか?」
「へっ? こ、これから? せっかくデートなのに……」
「ブラザーの顔が、見たくなって……な」
「? まあ、いいけど」
「それじゃあ行こうか」
もう財布の中身は空になっていそうなカラ松は、それでも見栄を張ってお茶菓子にすると言って帰り道の途中にあった洋菓子店でそれなりの値段のクッキーを買い、一緒に帰宅した。
「ただいま帰ったぜブラザー んん? ブラザー?」
「お帰りなさぁ〜い、カラ松に〜さん、一松に〜さ……アレッ?」
「んん? 一松は一緒じゃないぞ?」
「一奈ちゃん、やっぱり一松に〜さんの匂いがする」
「んん? オレが貸した革ジャンを一松が受け取って帰って、それをまた着てたからじゃないか?」
「んんん〜?」
「お、おじゃましまぁす……」
「まあいっか! 一奈ちゃん、いらっしゃい 何して遊ぶ?」
「え、遊ぶの?」
「こらこら、遊ばないぞ。クッキー買ってきたし、一緒に食べるか? そうだ、一松は?」
「一松に〜さんなら、カラ松に〜さんが出ていってから、しばらくして出てったよ? まだ帰ってきてないでっす」
「そうかぁ、タイミング悪かったな」
「一松に〜さんに用事? 探しに行く?」
「いや、そこまではいい」
「そっか〜」
さあ、妙な事になってきた。特に用事もなく話題もないのに、居間でカラ松と十四松と一奈ちゃん姿のおれ、三人でクッキーを食べつつお茶を飲む会。
何なの、これ。
「一松に〜さんはねぇ、猫が大好きなんだぁ」
「へえ、そうなのぉ……」
「一松は、細かいところを気にし過ぎなんだよな。でも、よく気がつくヤツだから、そこが良いところでもある」
「ふぅん、そうなんだぁ……」
おれ、なんでおれのことを聞かされてんの? これもう三十分ぐらい聞かされてんだけど。
「一松に〜さん、遅いね〜」
「一松、帰ってこないなぁ」
ここに! いるんだよ 帰ってこねぇよ
ってか、また薬を飲まないとヤバくないか? それか一旦ここを去るか……。
「あのぉ、今日はもう帰ろうかなぁって……」
「そうか、残念だ……今度は一松を連れて行くから三人で会わないか?」
「って、なんでまたおれ……じゃなかった、一松の話」
「うーむ、なんでだろうな?」
「わ、私と二人でデートじゃダメなんだ?」
「……どうしても、引っかかってな」
「じゃあもう、一松くんとデートしなよ」
「えっ……」
うわ、何言ってんのおれ。そんなの無しに決まってる。可愛くもない、男だし、兄弟だし、根暗だし、遊んだってそんなに楽しいわけがない。
「それ、いいな! まあ、一松がノッてくれるかどうかはわからないが……」
「はあ」
「一奈ちゃんより、一松に〜さんを選ぶってこと すっげえ! 一松に〜さん、きっと喜ぶよ カラ松に〜さんのこと大好きなんだぁ。素直になれないだけで」
「はあ? 好きなんかじゃないですけど」
「え? 一松に〜さんの話だよ?」
「だっ、だからっ、えっと……ああもう」
「混乱させてしまってすまない、オレ、一奈ちゃんに惹かれた理由は、やっぱり一松に似ているから、だったようだ……」
「はあああ? こ、こんなに可愛いのに? 私じゃなくて、一松を選ぶわけ? わけがわかんねぇ」
「たしかに」
「こんなに可憐で素敵なカラ松GIRLに巡り会えたのに……本当にすまない……だが、オレは……一松が……好きだ」
ボカンッ
「そんなの、本人に直接言ってあげなさいよっ カラ松……さんのアホ」
「へっ、いちまぁつ?」
「一奈ちゃん消えて、一松に〜さん出てきた」
「えっ? あっ、ええっ?」
「好きだ! いちまあつ 付き合ってくれ! デートしてくれっ」
「ギャアアア! 抱きつくなっ、急に色々言うなぁ! おれにはおれのペースがあるからぁ」
【HAPPYEND】