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    aoritoiki

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    aoritoiki

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    座チヒ。めちゃくちゃ短いです。とりあえず今すぐ甘いものが欲しくなって書き散らした。

    #カ腐ラバチ
    #座チヒ
    #腐向け
    Rot

    (仮)寒い日息を吐く。
    ふわりと、吐き出されたものが白く浮かび上がって、解けるように消えていく。空を見上げれば、厚い雲が蓋をするように覆っていた。
    「チヒロ」
    声に振り返ろうとすれば、その前に後ろから伸びてきた手に両頬を挟まれる。
    「……座村さん」
    「冷てえな。すまん、待たせたか」
    「いえ、俺も今着いたところです」
    冷えてしまったのは、外を歩いてきたからだった。電車で来れば風に吹かれることもなかっただろうが、何となく、歩きたくなったのだ。
    「まだ慣れねえか」
    後ろから頬を掴んだ、チヒロを抱えこむような姿勢のまま、座村が問う。
    「……いいえ、もう慣れましたよ」
    掴まれて動かせない顔の代わりに、目だけを上げて座村の顔を見る。閉ざされたその目の色は分からないけれど、引き結ばれた唇に、チヒロは苦笑いを浮かべた。
    「大丈夫ですから」
    「……」
    「それより、この体勢の方が、恥ずかしくて困ります」
    なかなか頬を離さない手と背中の体温に、温まりはしたが正直周囲の目が気になって仕方がない。
    「そうか?」
    頬が赤くなりそうなチヒロとは違い、座村は特に気にならないらしく、ピンとこない顔をしていた。
    「とりあえず、一旦離してもらえますか」
    「……仕方ねえな」
    チヒロが心持ち強めに促すと、渋々といった様子で座村がようやくチヒロの頬から手を離す。それにチヒロはホッと息を吐き出した。
    「じゃあ、こっちな」
    そう言って、今度は座村に手を取られ、指を絡められる。
    「……座村さん」
    「これくらい良いだろう」
    今日は寒いから。そう言って笑う座村に、チヒロは折れた。
    「……大通りは恥ずかしいから、裏道で」
    「ん、心得た」
    引かれた手に促され、歩き出す。俯いた顔はきっと耳まで真っ赤で、とても上げられるものではなかった。
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    aoritoiki

    PROGRESSめちゃくちゃ中途半端に終わります。途中なんで誤字脱字あるかも。続きがあるなら多分きっとエロ。エロ書けないです。エロを書く文才誰かください。
    【座チヒ】(仮)夢ああ、これは夢だ。
    あまりに荒唐無稽な、あり得ない、馬鹿げた世界。
    目を薄く開けば、瞼が持ち上げられて震えるのが分かった。夢から覚めたのだと実感する。
    「……」
    身を起こすと、何かが頬を伝って零れていった。目を擦る。
    (……どうして俺は、泣いているんだろうか)
    濡れた指先を見つめ、ぼんやりとチヒロは思った。



    始まりはボランティアのようなものだった。偶然知り合って、事情を知り、彼の家に出向いて家事を手伝うようになった。
    彼は目が不自由で、それでも日常生活に支障はないとのことだったが、そうは言われても気になるものだ。目が見えないというだけで、目が見える人に比べたら情報量は圧倒的に減る。他で補うにしても不便は残るだろう。実際、家を訪れてみたら、細かなところまではなかなか手が行き届かないらしく、中は雑多だった。物の位置が分かるようになっているからそれで良いのだと彼は言ったけれども、これではゴミ屋敷一歩手前だし、物に躓いて転びかねない。放っておけなくて、定期的に彼の家を訪れるようになった。
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    aoritoiki

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    あまりに荒唐無稽な、あり得ない、馬鹿げた世界。
    目を薄く開けば、瞼が持ち上げられて震えるのが分かった。夢から覚めたのだと実感する。
    「……」
    身を起こすと、何かが頬を伝って零れていった。目を擦る。
    (……どうして俺は、泣いているんだろうか)
    濡れた指先を見つめ、ぼんやりとチヒロは思った。



    始まりはボランティアのようなものだった。偶然知り合って、事情を知り、彼の家に出向いて家事を手伝うようになった。
    彼は目が不自由で、それでも日常生活に支障はないとのことだったが、そうは言われても気になるものだ。目が見えないというだけで、目が見える人に比べたら情報量は圧倒的に減る。他で補うにしても不便は残るだろう。実際、家を訪れてみたら、細かなところまではなかなか手が行き届かないらしく、中は雑多だった。物の位置が分かるようになっているからそれで良いのだと彼は言ったけれども、これではゴミ屋敷一歩手前だし、物に躓いて転びかねない。放っておけなくて、定期的に彼の家を訪れるようになった。
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    aoritoiki

    PROGRESS柴チヒと統チヒになる予定だけどまだ統のとの字も出てこない途中経過。花吐き病と陰間茶屋の話を書きたくなって、合体させました。そしたら陰間茶屋の知識なさすぎて調べてもよく分かんなくて、ちょっと自棄になって途中経過上げます。そしてやっぱり関西弁もわからないよ柴さん…。

    あ、名前の呼び方とか髪型とかちょっと原作から話に合わせて変えてます。
    あだ花ひとつ、またひとつと花が咲く。
    ぽとり、ぽとりと花が落ちる。
    花弁のような紫色の花心を持つ白い花。
    緩やかな曲線を描いて広がる紫の花。
    光を奪ったように黒く、だが仄かに混じる紅色が艶やかな花。
    風がそよぎ、花弁が散ってゆく。
    ああ、なんて――






    芝居小屋で賑わう大通りから少し離れた奥まった場所に、その茶屋はあった。
    立派な門構えのその建物は、料亭のような風格ある佇まいをしていた。事実、腕のある料理人を抱え、料理の提供も行っていたが、その店を訪れる客の大半の目当ては美食に舌鼓を打つことではない。格子門戸を潜り、土間を上がった先にある一階には、大小様々な座敷が設けられていた。客を通す部屋は、それぞれの会話や音が漏れないよう、厚い壁やいくつもの襖で隔てられている。客同士が顔を合わせることのないよう行き来にも配慮がなされ、そこでのひとときを内密に過ごせるようにと徹底されていた。二階の窓は千本格子となっており、窓際から誰かが外を覗き見ても、外から中の様子を窺うことは出来ない作りになっている。
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