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    obrq二次創作置き場
    ドロユヒちゃん

    かわいいはつくられるドロシーときたら私を堕落させることに命を賭けているといっても過言ではなく、私が何をしても無条件に甘やかす。
    ちょっと髪をいつもと違う感じにアレンジしただけで「信じられないくらいかわいいですね」とかなんとか言うし、遠くから目が合った時にちょっとだけ手を振ったら任侠映画ばりの迫真の演技で胸を押さえてうずくまったりする。立ち寝で歯磨きしている私の後ろから腕組みして険しい顔で「こんなかわいく歯磨きできる人間存在します?」とか言ってくるし、朝干すのを忘れた洗濯物の存在に帰宅後気づいて落ち込んでいたらべったりぎゅうって抱きしめて「干そうというその心意気が偉いんですよ」とかなんとか甘やかす。

    正直、よろしくない。

    だってこんなべったり甘々になんでもかんでも全肯定されちゃったら、私がだめになる。

    「だからね」
    「はい」
    「あんまり甘やかさないで。ちゃんと厳しくして。私がドロシーの愛情にあぐらをかいて堕落して、ドロシー無しだとなんにもできないだめだめな奴になっちゃったらどうするの? いやでしょ?」
    「嬉しいし一刻も早くそうなってほしいです」
    「も〜澄んだ目で異常なこと言わないで〜!」

    ドロシーの肩をがんがん揺さぶったけど全然伝わった気はしなかった。たぶんこれは「怒ってる顔も可愛いな」って思ってる顔。ううん、「肩掴まれるのぐっと来るな」かも。むずかしい。ドロシーのこと、なんでも分かってるような気もするし、なんにも分からなくて頭を抱えてしまうときもある。
    目を伏せてため息をついたら、吐息がもったいないとでもいうように、ドロシーがついばむみたいな一瞬のキスをしてきたので、あまりの早業にわらってしまった。なんなの、もう。
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    MOURNINGobrq二次創作置き場
    カイユヒちゃん
    ねむりカイゼは眠たいときの私をさわるのが大好き。

    「……君は、眠いとふにゃふにゃするんだな」
    「う〜ん………………」
    「起きてる?」
    「おきてる……」
    「本にしおりをはさんでおくぞ。140頁でいいか?」
    「うんうん………………」
    「ふふ、かわいいな。キスしても?」
    「うんうん………………」
    「全然聞いてないな」

    おかしそうな笑い声。わかってる、ちゃんと聞こえてる。どんなときでもカイゼの声だけはちゃんと聞いてるの、私は。もしもあなたのわるい手が寝巻きのすそから侵入してきたら、まずはちょっとだけだめでしょって怒ってみせるけど、私はそもそも頭のてっぺんから足のつまさきまでぜんぶカイゼのなんだからどこをどうさわるかなんてカイゼの自由で、だから怒るなんてありえない。ただの茶番です。これだけの思考がぎゅっとつまった私の「むにゃむにゃ」みたいな呟きを聞いて、カイゼはまたわらった。さっきのおかしそうな響きとはまたちょっと違う、どうしようもなくなってぽろんとこぼれた、みたいな、やさしいのに心臓がぎゅっと縮むような笑い方。ささいなことなのに、特別でもなんでもないふとした瞬間のことなのに、目の前にいる相手のことが不意にどうしようもなく大事に思えて、ずっとここにいてほしくて、ため息を吐くようにわらってしまう、そんな笑い方。古今東西ありとあらゆる人たちはそういう摩訶不思議な感情を「いとおしい」とかって形容したんだろうな。それってただしいんだろうけどさ、でも納得いかない。だってそんな五文字で完璧に言い表せるなら、私こんなにくるしくなってないよ。
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