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    yctiy9

    自創作メイン(3L,その他色々)

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    yctiy9

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    6-1(間)未来への清算 初めての出会い。確かに感じた喜びは嘘ではなかった。小さな手を一生懸命のばし、眼に映る世界を追いかける翠緑の宝石は奇跡そのものだ。私は自然と溢れる笑みを抑えることも、そもそも抑えようとすら思わなかった。その感情を否定したくなかったのだ。喜びをありのままに享受し、その子のなすこと全てに愛を感じる。十五にして、自分の子供では無いけれど、この気持ちが母性なのだと悟った。
     けれど幸せは永遠に続くものではない。だが、それが内部から破壊されるものだとは思わなかった。
     「マルシア、あれは不義の子だよ」
     兄が言った。
     「関わるのは良しなさい。あなたもアレみたいになりたくなければ」
     姉が言った。
     皆、あれだけ可愛がっていたのに。真実が露呈した瞬間に手のひらを返す様に背筋が凍った。本当に血の繋がりが無かったとして、けれど生まれてきた彼に罪は何一つない。むしろその事実を知った時、一番衝撃を受けるのは彼自身ではないだろうか。それを支えてあげるのが家族なのでは…ああ、そうか。もう兄と姉にとって、あの子は家族ではないのだ。なぜなら血の繋がりが無いのだから。
     「わかりました」
     彼らに逆らうのは悪手だと理解した私は、そう答える他なかった。それから私は本心を隠して、ひたすらに無関心を装った。
     けれど今それも終わる。
     これは清算だ。いずれ私にも降りかかる。
     生まれたこと。その存在が罪だと言うのなら。
     「お前たちも罪」
     血の繋がりだけが家族たらしめると言うのなら。
     「全ての罪は私が拭う」
     何もかも私が終わらせる。そのための十五年間。ひたすら布石を敷いてきた。どれだけ後ろ指を指されようと、未来の可能性を奪われた貴方のことを思えば、どれも取るに足らない、苦痛にすらならないのよ。

     「お前には理解できなかったか」
     父とまともに言葉を交わしたのはいつぶりだろう。私を当主にしたのは他でもない彼だ。
     「私を当主にしたこと、後悔している?」
     「まさか。お前にはお前が信じた強さがある。それは認めよう。ただ私とお前では見ている強さの方向性が違っただけだ」
     意外だった。彼なりに私の進む道を認めていたらしい。驚きと同時に悔しさがこみ上げてくる。
     「今更怖気づいたか」
     「まさか」
     「ああ、お前なら分かるだろう。あの子供は目障りだったが、今となっては星詠の頭角を現しつつある。アレはいずれアレイスター家を復興する力となるだろう。故に私はアレを取り戻したい」
     「そうね、貴方はそういう人。だからこそ私の目の黒いうちに取り除かなければならないのよ」
     衰弱した者を一方的に手に掛けるのは趣味じゃない。でもそんなことを言っていられないのも事実。この先、あの子が苦しむくらいなら私が心を殺すことを選ぶ。
     「貴方には育ててもらった恩がある。けれど私は…」

     未来を選ぶ
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