合同誌※サンプル※〇オクバデ(ギャグ)
~前略~
昼を少し回ったところでオクジーは一度穴を出る。地中の岩盤質が変わり、蒸し暑い層に入ってしまったがため、今日のような暑い日は体に堪える。流れ出る汗を布で拭ったオクジーは木陰に置いた羊皮の水筒を取りに向かった。今日は特に暑い。ふと視線を納屋へと向ける。一応日陰ではあるが、閉め切ればそれなりに暑い。しっかりしているようで、自分のことにはとんと無頓着な彼を思い出す。水を差しいれがてら、暑さでバデーニが倒れていないか、様子をうかがってみるのもいいかもしれない、と足を向けた。
途中冷たい水を井戸から汲んで水筒に足してから、彼の研究室の戸を叩く。
「バデーニさん、オクジーです。失礼します」
1947