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    かずら

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    かずら

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    七夕の楽攸李の後日談1
    楽→攸です

    私の中で現パロの荀攸さんは料理出来ると思ってる

    #無双
    wuShuang
    ##楽攸

    七夕に願ったこと。
    【プロジェクトの成功】
    その願いは、どうやら叶ったらしい。荀攸が主導となって進めていたプロジェクトは、無事に成功をおさめた。

    「無事に成功してよかったですね、荀攸さん」

    「えぇ。楽進くんと李典くんが支えてくれたおかげです。ありがとうございます」

    荀攸は、ペコリと小さく頭を下げた。
    その何気ない仕草すら、惚れた弱みか、楽進にはとても可愛らしく、愛おしく映った。

    「そうだ、荀攸さん。成功のお祝いに……その、食事に行きませんか?」

    「いいですよ」

    思いがけずあっさりと返事が返ってきて、楽進は心の中で小さくガッツポーズを決めた。

    「俺、楽進くん、李典くんの三人で打ち上げしましょうか」

    「……そう、ですね」

    “三人で”という言葉に、胸の奥がきゅっと縮む。けれど、それを悟られまいと、楽進は笑顔を崩さず頷いた。

    「なら、荀攸さんの好きなものを食べに行きませんか?」

    「うーん……俺はこれといって、好物があるわけじゃないので……楽進くん」

    「はい?」

    「俺は、楽進くんの好物があるお店でも構いませんよ?」

    思わぬ返答に、楽進は少し戸惑いながらも、ふと視線を落とす。


    七夕の夜、自分は願いに書かなかった。本当は、書けなかった。
    (荀攸さんに、振り向いて……自分のことを見てほしい)
    そんな想いを、あのとき短冊に綴ることはできなかった。

    (でも……今は、ほんの少しでも伝えたい。願うだけじゃなくて)

    ぐっと小さく息をのんで、楽進は言葉を口にした。

    「……その、店ではないのですが、荀攸さんの手料理……ずっと心に残ってるんです。もし、また機会があれば……また、食べさせてもらえたらと」

    「俺の料理を、ですか?」

    荀攸がゆっくりと首を傾げる。その仕草にまた胸が鳴る。

    「はい、荀攸さんの料理が本当に美味しくかったので……いや、すみません。負担をかけてしまいますし」

    「俺は、構いませんよ」

    「えっ」

    ぽかんと口を開けたまま固まってしまった楽進を見て、荀攸がわずかに微笑んだ。

    「今回の事で、仕事も落ち着いたところでしたし。料理でもして気分を切り替えたいと思っていたところです。いいタイミングです」

    「よ、よろしいんですか!?」

    「ええ。それに楽進くんが、俺の料理を美味しそうに食べてくれる姿、好きなので」

    「ふへっ!す、好き……!?」

    思わず裏返った声に、自分で驚く。慌てて咳払いをしてごまかすが、顔は真っ赤だった。

    「えぇ。美味しそうに頬張っている姿……好きですよ」

    “好き”と言われた。
    意味は違っても、自分に向けられた言葉が嬉しくて、楽進は鼓動の高鳴りを止められなかった。

    今はまだ、恋愛対象として見られていないことも分かっている。

    だけど…短冊に願うだけじゃない。
    いつかきっと、荀攸さんに振り向いてもらえるように。
    願いではなく、自分の手で叶えるんだ。

    そう、楽進は静かに心に誓ったのだ。


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