あるよく晴れた昼下がりのこと。
今日のおやつは何にしようか、と自室のお菓子を思い浮かべながら廊下を歩いていたら、山鳥毛さんに呼び止められた。
「小鳥、少しいいか」
「あ、山鳥毛さん。どうしたんです?」
「いや、大した用事ではないのだが。小鳥はいつも頑張っているだろう?」
「は、はい?」
「ささやかだが、これを贈らせてくれ。休憩の供にでもするといい」
そう言って、山鳥毛さんは手に持っていた紙袋を私に渡す。
そして、そのまま私がありがとうを言う間もなくその場を去ってしまった。
……何だったんだろう?
自室に戻り、とりあえず貰った紙袋を開ける。
中身は……
「箱……?」
開けてみると、銀色の小さな丸い缶が出てきた。
そこでやっと、何を贈られたのか理解する。
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