マニイヴァ 新刊のスタート案機械の統治には、誤作動がつきものだ。
マニは目の前の存在を見つめながら、そう思った。誤作動と呼ぶのは不適切か。そもそもこいつは、最初からプログラムの外にある存在なのだから。
「僕はイーヴァン!」
快活な声とともに、戦禍の神が勝手に名乗りを上げる。軽快な足取りで近づいてくる彼を、マニは静かに観察した。
──鬱陶しい。
初対面のはずなのに、妙に馴れ馴れしい。
それに加えて、その態度には何の警戒心もない。
神々は多かれ少なかれ、自らの力を示そうとするものだ。力を誇示する者、威厳を漂わせる者、あるいは計算ずくで立ち回る者。だが、この男にはそのどれもがない。あるのはただの気まぐれと、厄介な好奇心。
「やあ、君ってすごく面白そうだね!」
1095