真の名で「今宵だけは…真の名で呼んでもいいですか…大佐?」ってキスをしながら囁くシャリにシャが「いいさ…君と私しかいない…呼んでくれ、シャリア」
「はい…キャスバル…」舌を絡めながら抱き合う2人。
「君にその名で呼ばれると…全てを持っていかれそうだ」
「…?」
「真の名を呼ばれると、呼んだ者に全てを支配されると…本で読んだことがある」
「私は…そんな畏れ多いことなど…」
「ふ…君が私を操るところを見てみたいものだな」
「いえ私は…ただ貴方の…真の貴方を共有したいんです」
「真の私…か」
「立場や身分に依らない、本当の貴方が…知りたいのです」
「本当の…私など…」
「皆まで言わずとも……。貴方は…私に似ている…」
「ふ……面白い男だな、君は」
シャに押し倒されるシャリ。
「キャスバル…」
「その名を呼ばせないくらい…今宵は抱いてやるさ、シャリア。
その名を呼んでも、君の思い通りにはさせない」
顔を近づけようとするシャにキスの不意打ちを仕掛けるシャリ。
「貴方のことは…全てお見通しです」
「未来さえもか…?」
「……今この瞬間だけは、未来を忘れることにします…」
「都合のいい男め……」
─今宵だけは、真の私でいようじゃないか。