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    おてこて両片想い本丸でりいだあが顕現したときのおてぎねさんの話。
    ※蜻村が茶番に付き合ってくれています。

    #おてこて
    hand
    #蜻村
    dragonVillage

    じぇらしー「りいだあ! れっすんしましょう!」
    「お、やろうか」


     庭の方から、元気な声と共に稽古場に向かう足音が聞こえてくる。

    「……やめんかその顔」
    「顔?」
    「自覚、ないんデスねぇ」

     蜻蛉切、村正と共にさやえんどうの筋取りをしていた俺は、手を止めて顔を上げる。呆れた目で俺を見ていた蜻蛉切は、視線が合うとため息をひとつ吐いて、また筋取りを再開した。

    「顔? なぁ俺どんな顔してた?」
    「自分の胸に聞いてみたらどうデス?」

     向かいに座る村正は、俺に答えながら器用に手を動かし続けている。
     俺は深く息を吐き、持っていたさやえんどうを投げ出して畳の上に寝っ転がった。

    「おい、手は動かせよ――」

     蜻蛉切が口うるさく何かを言ってくるが、俺の今の状態では頭に入ってこない。俺は蜻蛉切の言葉は聞こえないフリをして、静かに目を閉じた。


     数日前、この本丸に新たな刀剣男士が顕現した。
     豊前江。それが彼の男士の名前だ。
     近侍だった俺を補佐していた篭手切は、豊前江の姿を見た途端、目を輝かせて「りいだあ」と駆け寄った。俺には見せたことの無い笑顔だった。


    「……もう俺、用済みなのかな」
    「……」
    「きっとこの先、江の刀が増えていったら、俺はれっすんに呼ばれなくなるだろうし……」

     そうやって俺がうだうだ言うからか、村正のため息が聞こえてきた。

    「あー………………また篭手切とれっすん、してぇな」
    「一緒にすればいいだろう」

     口を挟んできた蜻蛉切に、俺は身体を起こして反論する。

    「んなことできると思うか? ……好きな奴が他の奴と楽しそうにしてるとこ、蜻蛉切は見てられるのかよ」
    「……状況によるが」

     答えた蜻蛉切はチラ、と村正の方を見た。視線を向けられた村正は、蜻蛉切の方は見ず、面白そうに軽く笑みを浮かべる。

    「それで、アナタはどうしたいんデス? 篭手切サンに告白するつもりデスか?」
    「告白は、うーん……。俺が勝手に募らせた想いのせいで、篭手切のこと縛ることになったら嫌だし」
    「心というのは難儀なものだな」
    「本当になぁ……。あー……篭手切も俺と同じ気持ちならいいのになぁ」

     呟いてから、弱気な気持ちを吹き飛ばすように思いっきり寝っ転がると、頭上の襖が開いていることに気がついた。
     見慣れた緑色のジャージが目に入り、横になったばかりの身体をすぐさま起こす。

    「んっ!?」
    「……あ、えっと……御手杵さん」
    「あ……? え? ……っ篭手、ぎり…………?」

     そわそわと落ち着かない様子の篭手切を見て、俺の血の気がさっと引いた。反対に、篭手切の顔は真っ赤に染まっていて、蚊の鳴くような小さな声が聞こえてくる。

    「……ぉ、御手杵、さんを……れっすんに誘いにきたんだけど……」
    「い、いつからそこに?」
    「私と、またれっすんしたいなぁ、あたりから……」

     その答えを聞いて、俺は両手で顔を覆った。

    「あ、篭手切サン、この人連れてってくだサイ。手伝いも疎かになるくらい悩んでるみたいデスから」
    「え、えと」
    「お前も身体を動かせば気分転換になるだろう?」

     蜻蛉切達の裏切りにより、俺の心臓は色んな意味で騒がしくなる。

    「なんデシタっけ。『好きな奴が他の…』」
    「っああ! わかったっ!! ちゃんとやるから! 篭手切、今はとりあえずれっすんしに行こうか! な!?」
    「う、うん」


     ぎこちない雰囲気で部屋を出ていった2人の背中に、蜻蛉切と村正は顔を見合わせて笑う。

    「あの2人、だいぶ前から両想いだと思うんデスけどねぇ」
    「全く……世話の焼ける2人だ」
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    ytgr_9u

    DOODLE本丸のバグによって分裂したこてぎりくんと振り回されるおてぎねさんの話
    (おてこて前提)
    「おってぎねさんっ!」「おてぎねさん!」
     両腕を引っ張られた俺は心の底から困惑していた。
    「こて、ぎり……?」
    「「はい!」」
     綺麗にハモった2振りはどちらも紛れもなく篭手切江で。いつも通り昼寝して、起きた時に両脇に篭手切江がいるなんて、誰が想像できただろうか。
    「おてぎねさん!私と一緒に万屋行こう!」
    「だめだよ!おてぎねさんは私と一緒に畑当番があるんだから!」
    「畑当番……それはちゃんとやらなきゃだね」
     1度は納得したような篭手切だったが、すぐに何かを思いついたようにパンと手を打つ。
    「私も手伝うから、早く終わらせて一緒に万屋行こう!」
    「手伝ってくれるの?」
    「もちろん!」
    「……じゃあ!」「おてぎねさん!」
    「「行こ!」」
     俺の意思は何一つ聞かれないまま、両腕を篭手切にひっぱられてずるずると畑まで連れていかれる。
    「なぁ篭手切……」
    「「なんですか?」」
    「あ、いや……なんでもない……」
     2振りが一生懸命畑を耕しているところで「ちょっと休もうぜ」なんて言えるもんじゃない。篭手切は分裂しても篭手切だなぁと思いながら、俺もせっせと手を動かすことにした。
     けどやっぱり、同 924

    ytgr_9u

    DOODLE疲れていたので温度低めで甘めのおてこて書きました。「おてぎねさん」
     俺の名前を呼ぶ声と共に、部屋の襖が開いた。
    「こてぎ、り」
     部屋に入ってきた篭手切は、何も言わないまま、布団を敷き終えたばかりの俺に向かって突進するように抱きついてきた。
    「おぉ? どうした」
    「ん〜〜〜」
     唸り声がお腹に響いてむず痒い。
    「篭手切ー?」
    「ぅ〜〜〜〜」
     篭手切がこうなるときは疲労が限界に近いときだ。心做しか、頭頂部にあるあほ毛も元気がないように見える。
     何かあったんだろうか。ああ、確か第2部隊は1週間出陣続きだったんだよな。
     当番表を思い出した俺は、そのまま篭手切の形のいい頭を撫でて、その小さな身体を潰してしまわないように優しく抱きしめ返してやった。
    「お疲れさま、篭手切」
    「…………」
    「風呂は入ったか?寝る支度は?」
     返事の代わりにぐりぐりと頭を押し付けられて、言葉になっていない呻くような小さな声で肯定を示された。
    「よーし、じゃあ布団行くぞー」
    「ん〜」
     篭手切に抱きつかれた状態のままでずるずると移動して、布団の上で篭手切ごと布団に包まった。
    「ほら、あったかいだろー」
    「……ぅ」
    「明日からしばらく休みだよな?」
     声を出すの 931