「俺、好きな奴出来たんだ」そう頬を赤らめてミスタは消え入りそうな声で呟いた 「は、、?」数秒言葉の処理が遅れたあとヴォックスはやっとその言葉の意味を理解した 好きな人?男?女?同い年?この学校の人?それは自分も知っている人?とごちゃごちゃ考えて、震える唇から溢れた言葉は、「そうか、そう、、その人のどこが好きなんだ?」何故か1番聞きたくない言葉を、自分を苦しめると知りながら冗談であって欲しいと願って縋る思いで聞き返した「かっこよくて、不器用なところもあるけど気が使えて俺が辛い時いつもそばにいてくれるんだ」とどこか遠くを見つめるミスタ、普段なら見惚れるほど好きなその姿が今は苦虫を噛み潰したような顔で見つめることしか出来ない
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