ナイルの嘆き『ダーリン、昨夜は激しかったね。今も君の中に入って突き上げている気分だ』
『マイディアー、激しいのはテメェだろう? もうほしくて堪まらねぇ。二〇六番地のホテルパスチラに来い。意識が飛ぶまでヤってくれ』
——プツ。
「あの……ドーク捜査官」
赤い顔をした新人が、通信を切るなり救いを求めるように俺を見た。まぁ確かにあいつらはそういう関係だし特に隠してもいない。なので生々しく想像できてしまうのが困ったもので、俺は咳払いをしてからこの問答の意味を罪のない新人に伝えなければならない。
「昨夜から潜入捜査中のスミスはハッキングに成功した。アッカーマンはその指示でロシア行き二〇六便を抑えるために空港へ向かった。航空保安局と連携するぞ」
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