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    kureko1703

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    kureko1703

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    プロヒ勝×拉致監禁被害者デ
    サラッとだけどモブレ要素あり。別垢で書いてて力尽きたやつ。デが無自覚に可哀想走ってる。

    無題1つ…2つ…3つ…と、あまりの疲れと物理的に揺さぶられることで回る視界で、ぼんやりと天井のシミの数を数える。今日だけでいったい何人相手にしたかなど、片手を超えたあたりで面倒になりやめてしまった。「あっあっ」と揺さぶられる度に、高い声が気持ちよくもないのに生理的に出た。

    そろそろ、疲労が限界に達していることにも気がついていたが、今日は組織内が何処かピリついていて僕が気絶しようがしまいがこの行為は終わらないということだけは確かだった。
    別段それに関しては最早不満はない。むしろ、好き勝手させるだけでご飯が貰えて、命を保証してもらえるのだから儲けものだろう。

    まだ僕は死にたくない。

    僕…は、129番。本名はもう忘れてしまった。5歳の時にはここに居て、この組織の愛玩動物をしてる。それよりも前のことは覚えていない。楽しかった気もするし、苦しかった気もする。…ただ知っている事と言えば母が死んで借金が払えなくなったからこの組織が引き取ったということ。その時の年齢と、個性(?)が無いせいで碌に借金返済も出来ないからということで愛玩動物として飼われることになったって言うこと。

    ただそれくらい。

    前は他にも同じような子供がいたけど、今はもう皆居なくなってしまったらしい。逃げたいと画作していたから逃げきれたのかもしれないし、殺されたのかもしれない。でも、僕にとってはどうでも良かった。幸か不幸か、逃げ出す素振りをせず、従順に言うことを聞く僕は気に入られたのか、上の偉い人の気まぐれか。18を超えても生かされている。

    「(あ…もう落ちるな…)」

    身体が疲労に耐えきれず、漠然とそんな事を思えば無理矢理開けようとしても瞼は降りてくる。僕はヘラりと笑う。その方が僕を組み敷く組織の人の機嫌が良くなるからだ。気持ちいいか?と聞かれれば甲高い声で鳴き、欲しいか?と問われればナカに下さいと乞う。

    その時に笑えば抵抗するよりも短時間でこの行為は終わる。機嫌が良ければ外の話とかも聞かせてくれるし、アメというおかしをくれるときもある。僕が上手くやれば酷いことだってされないし、部屋からは出られないけれど比較的自由にだってさせてくれる。…だから別段この生活に不満なんてなかったんだ。

    あの日…君が…

    ヒーローが僕を連れ出すまでは…。


    気絶して、どれくらいの時間が経ったんだろう?…まぁ、窓もなければ時計も無いこの部屋じゃ、上の人たちが身につけてる時計とか時間帯で察するしかないから調べようがないのだけど…。けれど、部屋に1つしかない外への扉からはザワザワと色々な音が聞こえてきた。いつもよりも妙に騒がしい。

    今日もまた大勢の人を相手にするのかな?なんて、疲れが抜けきらず重たい身体を起こしながら大きな欠伸をした。寝ぼけまなこでベットを見れば、当然、起きたばかりなのだから、放置される前の情事の跡が色濃く残ったままで自分も含めてグチャグチャのままだった。

    大人数が毎日のように来ると、片付けを急がないといけないから大変だ。眠くても頑張って小綺麗にしておかないといけない。前にドロドロの状態がカンに障ったのか手酷くやられてからはずっと心がけている事だった。外が騒がしいから急いで済ませないといけないと、ベットの上のシーツをひっぺがして併設されている小さな浴槽へと投げた。

    乾かす時間が無いから水に浸していた方が汚れが後で落ちるからだ。あと、ついでに僕の身体も洗えるし。レバーを前回にしてお湯を被る。どうせ何も身につけていないのだからあとは後ろの処理をするだけだった。けれど、どうにも昨日の人数が多かったせいかモタついて上手く指が動かない。待たせるなんて事をすれば、後々が大変になるのだから僕も必死なのだ。けれど、掻き出しても掻き出しても白濁が止めどなく溢れ出た。

    「(これ…間に合わないかもなぁ)」

    なんて考えていると、風呂場からでも聞こえるほど大きなBoooooooMという音が鳴り響いた。思わずビクッとして風呂場の入口を見れば、何やら黒いモヤが立ち込めている様子。けれど、何があったなんて言うのはこれっぽっちも分からず、そのまま凝視していると土煙の中からドカドカという足音と共に人影が現れた。その人影は真っ直ぐにふろ場に向かってきていて、今更ながらシャワーを流しっぱなしにしていて、ザーザーと音が鳴っていることに気がつく。

    随分と荒い飼い主が来たなと、ゆっくり立ち上がりながらシャワーのお湯をとめた。ボタボタと、無作法に長く伸びた髪から雫が滴り落ちた。雫が落ちていくのをぼんやりと眺めていると、ガンッ!!と音がして、鍵のない風呂場のガラス張りの扉が乱暴にこじ開けられた。別段、驚きはしなかった。

    先程の大きな音が聞こえた時点で何となく今日は大変そうだと思ったし、乱暴な人なんだろうなって思ったから。そんなちょっとうんざりしたような気持ちはその人を見た瞬間に霧散した。土煙とともに現れたその人は今までのどの人とも似ていない派手な服装をしていた。

    黒をベースにした服に、オレンジの線が入っていて、目元も黒い布で覆われていて、頭の後ろから砂色の髪とは対象的なツンツンした形が飛び出ていた。腕には…なんて言えばいいんだろうか?でも何だかゴツゴツしたのをつけている。細められた赤い目は、悪い目つきのはずなのに何故か綺麗だなぁって思った。

    その人は、僕の姿を見て少しだけ驚いた…んだと思う。あまり表情は変わらなかったけど、僕には何となくそう見えたんだ。未だに太腿を伝って流れ続ける白濁は、不愉快なほど足元をヌルついていたし、身体中ロープの跡とか噛み跡とか鬱血痕、タバコを当てられた火傷の跡から殴られた跡まで多様な傷が残っているのだから、初めて僕と会う人は皆驚く。でも、1度行為をしてしまえば、どんな人でも僕の扱い方は変わらなくなる。

    はらまないから女の人より都合のいいおなほ。

    正直、どういう意味かなんてこれっぽっちも分からないけれど。僕との行為はハマるものらしい。だから勝手が分かってくれば好き勝手に僕で遊んでいく。

    この人もきっと変わらない。でも、準備が間に合わなかったことは謝らないと…。



    僕はまだ…死にたくない。





    ……



    プロヒーローになって初めの年。オレらは高校の時からイレギュラーなことが多かったせいか、まだ新人だと言うのに様々な事件や作戦に積極的に参加させてもらう事が多かった。今回の大規模敵(ヴィラン)掃討作戦も、その一環だった。

    まだまだ経験の浅いオレは、呼ばれるまでは人命救助優先を徹底的に言いつけられていて、イライラしながらもキッチリと救助活動に専念していた。今回の作戦では、他所の事務所へ就職したキリシマや他見知った連中も参加していて連携が取りやすかったのもあり、オレたちのは想定よりも早く担当である1階の掃討と人質の救助活動が終える事が出来た。

    その途中、支給されたマップには無い地下通路を見つけた。今回のヴィランは違法薬物の大規模な取引と製造を行っていたグループだったのだが、上の階のヒーローから薬物製造のプラントの報告はあっても大量に保管されているであろうブツの発見には至っておらず、オレたちのグループから少数で突入する手筈となった。

    室内じゃある程度動きは制限されるが戦闘力が他の連中より高ぇオレも勿論選出され、慎重に地下の部屋を探索していた時だった。



    …失ったはずのアイツを見つけたのは。



    探せば探すだけ、薬物の在庫が出てくる中、他の部屋の扉よりも特別簡素な作りになっている扉の部屋を見つけた。そう言う見せかけのものかと思い爆破すれば、簡素な扉は粉々に吹き飛んでしまい呆気に取られた。

    中の空気はクソみてぇに澱んでいた。

    部屋には、デケェベットが1つだけぽつんと置いてあり、シーツは剥ぎ取られていたが、床に大量に散らばる使用済みのゴムや漏れ出たであろう白濁液が独特の異臭を放っており、余計に苛立ちが募った。ガラス張りになっている部屋からは、シャワーの音が響いており、この部屋にまだ人が居ることもありありと理解してしまい尚更だ。

    胸糞悪ぃ。

    その一言に限る。 その苛立ちをぶつける様にガラス張りの扉を開ければ、想像に反してそこに立っていたのは男だった。…けれど、その身体はここで行われていたであろう凄惨な行為をありありと主張しており、碌に切らせて貰えなかったのか腰ほどまでに髪は伸びていて顔も前髪が掛かっていて、ヒョロヒョロのガタイからもマトモな生活ではなかったことが直ぐに分かった。

    「…あの、すみません…。上の人の知り合いですか?僕…さっき起きたばかりで…まだ準備が終わってないんです。来て頂いたのにごめんなさい。」

    「…は?」

    男にしては少しだけ高い声だった。一瞬何を言い出したのか分からず、思わず低い声が出る。すると、目の前の男はビクリと肩を少し震わせながらも余計な事を言わないようにしているのか、手首を握りしめて口を閉ざしたままだった。

    「…こちらダイナiマイト。民間人を見つけた。医療班こっちに回せ」

    インカムでそれだけを伝え通信を切る。目の前の状況に酷く目眩がしそうだった。

    「オレはテメェとヤるつもりはねぇ。さっさと始末してその見苦しいもんとっとと隠せ」

    「…え…?」

    「返事ぃ!!!」

    「っひゃい!!!!」

    男性は混乱しているようだった。再びシャワーの音が聞こえ始めた所で、さっさと風呂場を出て部屋前で医療班を待つ。その間もずっとイライラして仕方がなかった。

    そんな中、ビシャビシャに濡れたのままの毛玉が出てくればブチ切れるのも当然だ。残念ながら、この部屋に布が無かったので他の部屋から適当な古着やシャツでガシガシと適当に毛玉の頭を引っ掻き回した。毛玉はその間ずっとされるがままだった。

    …医療班はまだ来ねぇ。

    「あ、あの…」

    「あ?」

    「…ほ、本当にシないんですか?」

    「殺すぞテメェ」

    「うっ…ごめんなさい…」

    毛玉はそれからまた何か考え込んでいる様子だった。…おかしい。なんでコイツはこんなにも平然としているんだ?仕事柄、拉致被害者が輪姦されるなんて事はザラにあり、その被害者を救助した時もある。

    しかし、大抵のやつは茫然自失か、泣き喚いてとても会話なんざままならねぇ。そういったヤツらの救助経験が多いわけじゃねぇが、回されてマトモの奴はほとんど居ないと聞く。例え目の前の毛玉が図太い性格だとしても限度があるだろう。
    なんて、底知れぬ薄気味悪さを感じながらも、ガシガシと乱雑に拭っていればある程度乾いた。

    「あ、あの!」

    毛玉は先程怒鳴られたのにも意に介さず、また話しかけてきた。1つ舌打ちをすれば、毛玉は慌てて弁明するかのように言い訳をツラツラと喋る。

    「あ、ごめんなさい…な、名前が聞きたくて…」

    「…ンなもん聞いてどうするつもりだテメェ」

    見てくれと状況証拠だけで拉致監禁の被害者と決めつけていたが、ここに来て別な可能性が出てくる。所謂プレイルームという物だ。コイツもここの構成員で、個性の発動条件が相手の名前という可能性。妙に落ち着き払っているのにも納得出来る。

    「あ、えっと、違うんです!…その…今までここに来た人は僕で遊んで行く人ばかりだったから…こういう事する人もあんまり居なかったし…覚えておきたくて…」

    「…」

    なぜだかイライラした。その態度も、コイツ周りに居たであろうクズと比べられることも、上目遣い(髪で隠れているから推定)で見てくんのも、何もかもに苛立った。そもそもが、この部屋自体不快なのだ。ヤリ部屋なんて悪趣味にも程がある。

    その苛立ちをぶつける様に目の前の毛玉の頬を横に引っ張った。思いのほか伸びる。

    「!?い、いひゃい!いひゃいです!」

    「うるせぇ!!人に名前聞く時はまずテメェから…だ…ろ…」

    頬を引っ張った時、長い前髪が揺れて顔が一瞬見えた。その顔は、随分と幼く…酷く見慣れた顔だった。いや、見慣れて"いた"顔だったと言うべきか。大きめの目、頬に散ったソバカス、緑色の瞳…。見れば見るほどアイツに似ていて…縋るような気持ちで言葉が落ちた。

    「…テメェ名前は?」

    「129番です」

    「ッ!!」

    間髪入れずに帰ってきたその言葉に息を飲む。スラッと、それが自分の名前だと信じて疑わない様子。それでオレは…目の前のコイツがマトモな状態ではなく…とうの昔に狂ってしまったことを知った。

    「それは名前じゃねぇ…番号だろうが」

    「あ、えっと…ごめんなさい…僕、自分の名前を知らないんです。5歳よりも前の事覚えてないので」

    「…ッ!…テメェはッ…一体いつからここにいるんだ…?」

    よく見ると…目の前の男は…目が笑っていなかった。オレが知っている…いや、オレが覚えている限りの…あの溢れんばかりのあの輝きは無く、あるのは暗い色に染った深い緑。

    「覚えてないのでわからないです。…あ、でも5歳の時に"無個性"は金になるからって言うのでここで飼って貰ってました。それからずっとここに置いてもらってますけ…ど…」

    言い終わる前に、オレはソイツを抱きしめていた。涙は出ねぇ。けど、痛みを感じていないかのように振る舞うコイツが痛々しくて仕方なかった。

    4歳の時、差し伸べられた手を払わず、握り返していたのなら…あの後、小さなプライドを殴り捨てて手を引いていたのなら…テメェの憐れな運命は変わっていたのだろうか?

    「デクッ…デク…」

    「…?あ、あの?」

    デクは、さすがに動揺したのか、抱きしめられたままオロオロして居たが、何かをするでもなく、されるがままだった。
    遠くの方でようやく駆けつけた医療班の足音が聞こえる。

    オレは、デクが治療のために連れ出されるまで、目の前で4歳の頃に無くした大事な者の存在を確かめるように…ただただ抱きしめたまま動けなかった。



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