ホマレ→グラスへのクソデカ感情「流星の生まれ変わり」という本を知っていますか?
流れ星というものは、転生するために地上に落ちてくる天使の類いだと言い伝えられている地域があるんです。
星は落ちる場所によって生まれ変わる姿が変わると言われていて、水に落ちれば人魚、地に落ちれば世界樹……
人が捕まえれば、遣い魔となってその人に幸福と栄誉をもたらしてくれるのだとか。
まあ流れ星がこの地に落ちてくるという時点で、普通の流れ星ではないことは明白ですよね。
魔法史や民族学等の研究では、空で生活をしている魔法生物が寿命を迎え、言い伝え通り生まれ変わろうとしているのではないか……とのことです。
なぜこんな話をしているのか、ですか?
……君と話をしていると、なんだか君が「流星の生まれ変わり」のように思えてきたからですよ。
寮生活の初日気分でやって来て、手続きが全くされていないことを知って野宿を決め込む姿はさすがにいたたまれませんでしたがね。流れ星が足元で燃え尽きかけているかのようでしたよ。
まああの日に手続きをしても承認に数週間かかるそうですから、野宿という手段に考えが及ぶのも仕方がないとは思いますが。
そのあと僕の部屋を相部屋として誘ったのは他でもない僕ですが、いきなり転がり込んできたようなものでしたから。僕の生活は随分と変化したんですよ。うん、良い方向にね。
魔法なんて概念が無いに等しい故郷からこの学校に越してきて、魔法を知って、触れて、
同じことを学ぶ人がいて、同じ歳の友人ができて、毎日が新しくて楽しかった。
そして君が来てから更にとても賑やかになって、一人で過ごしていた部屋が明るくなって。
その一方で、ここに転がり込んできた君は可能性の塊で、変わろうと、一生懸命何者かになろうとしていて、それでいて純粋で、
まるで、生まれたばかりの星、みたいで、君は、
「せんぱーい!!なんでそこで泣くんだよーっ!」